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件名

意見書第31号 予防接種事業の法定受託事務化を求める意見書について

本会議議決結果

議決日:平成24年12月25日
議決結果:可決

内容

 地方自治法第99条及び第112条の規定により意見書を次のとおり提出する。
 
  平成24年12月25日提出
       
熊本市議会議員  田辺正信
同        家入安弘
同        上田芳裕
同        東すみよ
同        益田牧子

熊本市議会議長 津田征士郎 様

                      意  見  書 (案)

国民から感染症を予防するために行う予防接種事業については、国の権限と責任と財源に基づいて公平で安定して行う全国一律の法定受託事務とされ、国庫負担割合の明確化、更には全額国庫負担とされるよう要望いたします。

(理 由)
国は、本年9月にポリオの予防接種に使われてきた生ワクチンをマヒの恐れがない高額な不活化ワクチンに切り替え、11月に不活化ポリオワクチンにジフテリア・百日咳・破傷風を加えた4種混合ワクチンを導入しました。厚生科学審議会の提言を受けた措置で、住民の健康を守る上で喜ばしいことであります。しかし、これらの費用を負担する自治体の多くは財源確保に苦慮しています。
予防接種法による法定予防接種は市町村が実施しますが、対象疾病やワクチンの種類は厚生労働省令で決められています。平成25年度は子宮頸がん・ヒブ・小児用肺炎球菌の3種類のワクチンの法定接種化が予定されているところです。さらに引き続き、水痘など5種類のワクチンの導入が検討されています。公衆衛生の向上にとって極めて意義の大きいことであります。しかし、市町村の財政に大きな影響を及ぼすものと危惧されるところでもあります。
法定予防接種に市町村の裁量はほとんどありません。地方自治法では、第232条第2項により「法律又はこれに基づく政令により普通地方公共団体に対し事務の処理を義務付ける場合においては、国は、そのために要する経費の財源につき必要な措置を講じなければならない」と定められています。また、地方財政法第10条では、臨時の予防接種並びに予防接種を受けたことによる疾病、障害及び死亡について行う給付に要する経費は、国がその経費の全部又は一部を負担することとなっており、法定受託事務として、臨時の予防接種については、国、都道府県、市町村が各3分の1負担すると定められています。
法定受託事務である臨時の予防接種については、国庫負担割合が明確化されている一方、自治事務となっている定期予防接種については、地方交付税交付金の中から各自治体が負担費用を捻出しなければならず、各自治体では受益者の実費徴収分も含め負担しているのが現状であります。国民から感染症を予防するために行う予防接種は国が全国一律に果たすべき役割であります。
よって、政府におかれては、予防接種について、国の権限と責任と財源に基づいて公平で安定して行う法定受託事務化による国庫負担割合の明確化、更には全額国庫負担とされるよう強く要望いたします。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。
  
平成  年  月  日

議長名

内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
厚生労働大臣

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