意見書第32号 北朝鮮拉致事件の真相解明とその家族の永住帰国に関する意見書について
議決日:平成14年12月24日
議決結果:可決
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│ 発議第32号 │
│ 北朝鮮拉致事件の真相解明とその家族の永住帰国に関する意見書について│
│ 地方自治法第99条及び第112条の規定により意見書を次のとおり提出す│
│ る。 │
│ 平成14年12月24日提出 │
│ 熊本市議会議員 田 尻 清 輝 │
│ 同 坂 田 誠 二 │
│ 同 大 石 文 夫 │
│ 同 主 海 偉佐雄 │
│ 同 荒 木 哲 美 │
│ 同 津 田 征士郎 │
│ 同 下 川 寛 │
│ 同 田 中 誠 一 │
│ 同 佐々木 俊 和 │
│ 同 中 松 健 児 │
│ 同 磯 道 文 徳 │
│ 同 鈴 木 弘 │
│ 同 益 田 牧 子 │
│ 熊本市議会議長 宮 原 政 一 殿 │
│ 意 見 書 (案) │
│ 北朝鮮拉致事件の徹底した真相解明と生存者とその家族の永住帰国を一日も早│
│ く実現されるよう強く要望いたします。 │
│ (理 由) │
│ 本年9月17日の日朝首脳会談において、これまで解決の糸口さえ見えなかっ│
│ た拉致問題について、小泉首相が示された勇気ある決断と努力に対し敬意を表す│
│ るものであります。 │
│ この拉致問題は、北朝鮮によるわが国の主権を侵害した国家犯罪であるととも│
│ に、人道に反する犯罪でもあります。しかし首脳会談において、金正日総書記は│
│ 拉致事件については謝罪したものの、特殊機関の一部の犯行と説明しており、被│
│ 害者の北朝鮮における生活状況や死亡等についての十分な説明は今日に至っても│
│ なされておりません。 │
│ 拉致被害者の中に、本市出身の松木薫さんも含まれており、確たる説明がない│
│ ままの北朝鮮側の一方的な死亡報告と提示された遺骨に対し、専門家の鑑定では│
│ 別人であると判定されました。私たちは、ご家族の生存を信じられる姿があまり│
│ にも痛ましく、拉致に対する強い憤りを覚え、断じて許すことはできません。 │
│ また、その後の調査で新たな拉致被害者も数多く存在するとの報道もあり、拉│
│ 致の状況や死亡に至った経緯等、全ての拉致被害者の徹底した調査を今後も引き│
│ 続き強く求めていくべきであり、このことが日朝国交正常化の大前提であること│
│ は言うまでもありません。 │
│ さらに日朝首脳会談で合意した「日朝平壌宣言」に基づき2年ぶりに開催され│
│ た日朝国交正常化交渉において、日本が強く求めた拉致被害者五人の家族の早期│
│ 帰国については、目に見える進展がないままに終了しました。 │
│ しかしその後、10月に帰国された五人の生存者の方々も、それぞれ北朝鮮に│
│ 残されている家族の永住帰国に関して「北朝鮮や第三国でなく日本において再会│
│ し話し合いたい」との意思表明をされていますが、家族を含めた永住帰国は当然│
│ のことであり、一日も早い解決が求められております。 │
│ よって、政府におかれては、国交正常化の前提として、拉致事件の全容解明と│
│ 生存者とその家族の方々の一日も早い永住帰国の実現、並びに北朝鮮に対し核開│
│ 発の即時停止及び生物兵器の撤廃と工作船等による違法な情報収集を直ちに止め│
│ ることを求められるよう強く要望いたします。 │
│ │
│ 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。 │
│ 平成 年 月 日 │
│ 議 長 名 │
│ 内閣総理大臣 ┐ │
│ 外務大臣 ├─宛(各通) │
│ 国家公安委員長│ │
│ 警察庁長官 ┘ │
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