意見書第27号 視覚障がい者からテレビを遠ざけない地上デジタルテレビ放送を求める意見書について
議決日:平成23年12月16日
議決結果:可決
地方自治法第99条及び第112条の規定により意見書を次のとおり提出する。
平成23年12月16日提出
熊本市議会議員 鈴木 弘
同 藤岡照代
同 藤永 弘
同 園川良二
同 益田牧子
熊本市議会議長 津田征士郎 様
意 見 書 (案)
視覚障がい者にとっても利用しやすい地上デジタルテレビ放送とするため、所要の施策を講じられるよう要望いたします。
(理 由)
障がい者の平等な暮らしと社会参加の推進は、我が国において社会と地域の大きな課題となっています。情報の8割以上が視覚情報である現代社会において、視覚障がい者が安心して生活するためには情報格差をこれ以上広げない対策が求められています。
FM放送とテレビのアナログ放送はともにVHF帯の電波を使うため、多くの視覚障がい者が、値段が安く1台で両方聞けるFMラジオでテレビを楽しんできました。しかし本年7月、地上波テレビはデジタル放送へと完全移行(被災3県を除く)したことにより、テレビの音声をFMラジオから聞くことができなくなってしまいました。多機能化に伴ってテレビの操作はこれまでより複雑になっていますが、リモコンなどの操作情報の音声化の開発などはメーカー任せでなかなか進んでいません。また、テレビ情報の平等な入手に欠かせない解説放送を増やす具体的な施策もない上、FMラジオによるテレビ放送受信の道も絶たれてしまい、このままでは視覚障がい者からテレビが遠ざけられてしまいます。「平成18年身体障害児・者実態調査結果」によれば、情報の入手方法の第1位がテレビ(一般放送)であり、視覚障がい者の66%を占めています。テレビは欠かせないメディアであり、災害時においてもテレビ情報は視覚障がい者にとっても不可欠です。
また、FMラジオで聞くことができるテレビ放送は、視覚障がい者だけでなく、テレビが見られない中で作業を行う様々な職種の方々にもニーズがあり、こういった方々にとっても欠かせないものでありました。
よって、政府におかれては、下記事項を速やかに実施されるよう強く要望いたします。
記
1 携帯用ラジオにテレビの地上デジタル放送の受信機能を付加し、従来通りテレビ放送が聞けるようにすること。
2 受信機や録画機のリモコンの全ての機能が、音声ガイドを手がかりに操作できるテレビの開発を推進する施策を講じるなど、視覚障がい者の使いやすさを最大限考慮すること。
3 解説放送、ニュースなどのテロップ・字幕の読み上げを大幅に増やし、テレビ放送における情報バリアをなくすこと。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。
平成 年 月 日
議長名
内閣総理大臣
総務大臣
厚生労働大臣