意見書第22号 義務教育費国庫負担制度の拡充に関する意見書について
議決日:平成23年9月29日
議決結果:可決
地方自治法第99条及び第112条の規定により意見書を次のとおり提出する。
平成23年9月29日提出
熊本市議会議員 田辺正信
同 家入安弘
同 上田芳裕
同 東すみよ
同 益田牧子
熊本市議会議長 津田征士郎 様
意 見 書 (案)
憲法が保障する教育の機会均等及び地方財政の安定化を図るため、義務教育費国庫負担制度の堅持とともに、国負担割合を2分の1に復元されるよう要望いたします。
(理 由)
子どもたちに豊かな教育を保障することは、社会の基盤づくりにとって極めて重要なことから、「教育は未来への先行投資」であることが多くの国民の共通認識となっています。
しかしながら、義務教育課程である小・中学校では、本年度の小学校に引き続き、2012年度からは中学校でも新しい学習指導要領が本格実施され、授業時数や指導内容が増加します。また、不登校・いじめや暴力行為等生徒指導面での課題が深刻化する中、障がいのある児童・生徒をはじめとした特別に支援を必要とする子どもたちも顕著に増えています。
こうした学校現場での課題に対し、地方自治体が独自に実施する少人数学級施策は高く評価されている反面、地方財政を圧迫していることも事実であります。政府におかれても、2011年度からは、義務標準法の改正により、国負担による小学校1年生に対する35人以下学級が実現し、今後は国策としての義務教育課程における少人数学級の展開が大きく期待されています。
子どもたちが全国どこに住んでいても、機会均等に一定水準の教育を受けられることが憲法上の要請です。しかし、教育予算について、GDPに占める教育費の割合は、OECD加盟国(28カ国)の中で、日本は最下位となっています。また、義務教育費国庫負担制度の国負担割合は、2分の1から3分の1に引き下げられ、地方自治体の財政を圧迫しています。
将来を担い、社会の基盤づくりにつながる子どもたちへの教育は極めて重要です。未来への先行投資として、子どもや若者の学びを切れ目なく支援し、人材育成・創出から雇用・就業の拡大につなげる必要があります。
よって、政府におかれては、教育の機会均等と水準の維持向上を図るため、義務教育費国庫負担制度の堅持とともに、国負担割合を2分の1に復元されるよう強く要望いたします。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。
平成 年 月 日
議長名
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
文部科学大臣