意見書第14号 原子力発電所の安全対策の強化等を求める意見書について
議決日:平成23年7月1日
議決結果:可決
地方自治法第99条及び第112条の規定により意見書を次のとおり提出する。
平成23年7月1日提出
熊本市議会議員 田辺正信
同 家入安弘
同 上田芳裕
同 東すみよ
同 田上辰也
同 福永洋一
同 西岡誠也
熊本市議会議長 津田征士郎 様
意 見 書 (案)
国内すべての原子力発電所の周辺住民の安全・安心を確保するため、所要の施策を講じられるよう要望いたします。
(理 由)
去る3月11日に発生した国内最大のマグニチュード9.0の東北地方太平洋沖地震とこれに伴う巨大津波は、東北地方を中心に数多くの尊い命を奪い、沿岸地方に壊滅的な被害をもたらしました。
加えて、東京電力株式会社福島第一原子力発電所では、地震発生時に運転していた原子炉は自動停止したものの、地震直後に放射能もれは起きていました。地震で電柱や排管が打撃を受け、津波の到達前に非常用電源も停止しました。その結果、原子炉や使用済み燃料プールの冷却機能が喪失し、大量の放射性物質が放出され、我が国で初めて原子力災害対策特別措置法に基づく「原子力緊急事態宣言」が発令されました。
さらに、原発事故の深刻度が「国際原子力事象評価尺度(INES)」による暫定評価で最悪の「レベル7」に引き上げられ、大地震から3カ月を経た今も、周辺地域では広範囲な避難指示の下、多くの住民が避難生活を余儀なくされているほか、農作物の汚染や風評被害も深刻化しています。
とりわけ、今回の原発事故は、原発立地地域住民のみならず、隣接県などを含めると、日本全国何処でもひとたび原発事故が起きれば放射性物質による被害の危険性があることを示しており、国民の原発に対する不安は高まっています。
現在のエネルギー事情を踏まえ、原子力発電所について徹底した安全対策を早急に構築し、不安の払しょくに努めることは国の責務であります。
よって、政府におかれては、福島第一原子力発電所の事故の一刻も早い収束と原因究明はもとより、国内すべての原子力発電所の周辺住民の安全・安心を確保するため、下記の事項について特段の措置を講じられるよう強く要望いたします。
記
1 今回の事故原因の詳細な調査を踏まえ、耐震設計審査等の安全指針について見直しを行うこと。
2 地震対策、津波対策などの安全対策について改めて点検を行うとともに、抜本的な対策を講じ、国民の安全・安心の確保に努めること。
3 原子力の安全確保等に関する情報公開、住民への説明、広報の充実強化を図ること。
4 今回の事故を受け、国の防災基本計画や原子力防災指針等の見直しを早急に行うこと。
5 今回の事故による風評被害を防止し、特に輸出品や観光などへの海外からの懸念を払しょくするよう万全の対策に努めること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。
平成 年 月 日
議長名
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
文部科学大臣
厚生労働大臣
農林水産大臣
経済産業大臣
防災担当大臣