意見書第17号 完全な地上デジタル化放送の実施に向けて円滑な移行策を求める意見書について
議決日:平成22年10月6日
議決結果:可決
地方自治法第99条及び第112条の規定により意見書を次のとおり提出する。
平成22年10月6日提出
熊本市議会議員 鈴木 弘
同 西 泰史
同 磯道文徳
同 藤岡照代
同 日和田よしこ
同 有馬純夫
同 前田憲秀
熊本市議会議長 坂田誠二様
意 見 書 (案)
完全地デジ化への円滑な移行を進めるため、所要の施策を講じられるよう要望いたします。
(理 由)
来年(2011年)7月24日をもってアナログ放送が終了し、完全に地上デジタル放送に移行することが予定されています。総務省の調査では、2010年3月時点で地デジの世帯普及率が83.8%と発表されました。
しかしながら、離島を抱える沖縄県や、山間部の多い岩手県では普及率が70%未満となっており、ビルの陰などで電波が届きにくい施設の対策は達成率が約48%となっています。さらに、共同アンテナ改修が必要なマンションなど210万施設への対応も約77%にとどまっています。
地上デジタル化まで1年を切り、完全移行までのプロセスが最終段階に入った今、国民生活に直接影響を与える問題だけに、円滑に移行を進めるためには、現在指摘されている諸課題に対して政府を挙げて対応策を打つことが必要です。
一方、現在残存するアナログテレビは推定約3,500万台といわれ、これらは来年7月の地デジ完全移行で大量の“廃棄物”となることから、不法投棄の懸念も指摘されています。不要テレビの処分に関する対策も検討されるべきです。
地デジへの移行、廃棄物の処分については、いずれも特に自治体の取り組みが不可欠であり、政府は自治体の取り組みをサポートすべきです。
よって、政府におかれては、完全地デジ化に向けて移行を円滑に進めるため、下記事項の取り組みについて必要な予算を確保するとともに、施策を実施されるよう強く要望いたします。
記
1 離島、山間地域ほか普及率が低い地域に対して地デジ移行の啓発活動を重点的に推進し、デジサポ(総務省テレビ受信者支援センター、現在全国52カ所)の相談窓口をさらに増やすこと。
2 地デジに関する個別相談会を自治体でもきめ細かく実施できるよう、予算措置などの支援策を十分に講じること。
3 地デジに対応していない集合住宅に対するアンテナ設置や施設内配線の支援策の着実な履行と、ビル陰世帯についても確実な移行策を推進すること。
4 大量のアナログテレビが一斉に廃品になるため、懸念されている不法投棄の防止策及び円滑なリサイクル回収を着実に推進すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。
平成 年 月 日
議長名
内閣総理大臣
総務大臣 宛(各通)
環境大臣