意見書第11号 熊本市不当な勧誘行為等の防止に関する条例の制定について
議決日：平成22年10月6日
議決結果：撤回
地方自治法第１１２条の規定により、熊本不当な勧誘行為等の防止に関する条例案を次のとおり提出する。
平成２２年６月３日提出
熊本市議会議員 下川 寛
同 田尻善裕
同 大石浩文
同 田辺正信
同 中松健児
同 上田芳裕
熊本市議会議長 坂田誠二 様
熊本市不当な勧誘行為等の防止に関する条例（案）
（目的）
第１条 この条例は、公衆に対する不当な勧誘行為等を防止し、もって、市民が安心して生活できる環境を保持することを目的とする。
（不当な役務等への従事に関する勧誘等の禁止）
第２条 何人も、公共の場所（道路、公園、広場、駅、駐車場、興行場、飲食店その他の公衆が通行し、又は出入りできる場所をいう。）において、不特定の者に対し、次の各号のいずれかに該当する行為をしてはならない。
(1)人の性的好奇心に応じて人に接する役務（性的好奇心をそそるために人の通常衣服で隠されている下着又は身体に接触し、又は接触させる卑わいな役務を含む。）に従事するように勧誘すること。
(2)専ら異性に対する接待（風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律（昭和２３年法律第１２２号）第２条第３項に規定する接待をいう。）をして酒類を伴う飲食をさせる役務（前号に該当するものを除く。）に従事するように勧誘すること。
(3)性交若しくは性交類似行為又は自己若しくは他人の性器等（性器、こう門又は乳首をいう。以下同じ。）を触り、若しくは他人に自己の性器等を触らせる行為に係る人の姿態であって性欲を興奮させ、又は刺激するものをビデオカメラその他の機器を用いて撮影するための被写体となるように勧誘すること。
(4)前３号に掲げるもののほか、人の身体又は衣服をとらえ、所持品を取り上げ、進路に立ちふさがり、身辺につきまとう等執ように役務に従事するように勧誘すること。
２ 何人も、対償を供与し、又はその供与の約束をして、他人に前項の規定に違反する行為を行わせてはならない。
（不当な役務従事等に関する勧誘文書の配布禁止）
第３条 何人も、前条第１項第１号若しくは第２号に規定する役務に従事するように、又は同項第３号に規定する撮影のための被写体となるように勧誘する文言を記載した文書を、みだりに人の住居に配り、又は差し入れてはならない。
２ 何人も、対償を供与し、又はその供与の約束をして、他人に前項の規定に違反する行為を行わせてはならない。
（罰則）
第４条 第２条第１項又は前条第１項の規定に違反した者は、５０万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
２ 常習として前項の違反行為をした者は、６月以下の懲役又は５０万円以下の罰金に処する。
３ 第２条第２項又は前条第２項の規定に違反した者は、１００万円以下の罰金に処する。
４ 常習として前項の違反行為をした者は、６月以下の懲役又は１００万円以下の罰金に処する。
（両罰規定）
第５条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業員が、その
法人又は人の業務に関し、第２条又は第３条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても各本条の罰金刑を科する。
（適用上の注意）
第６条 この条例の適用に当たっては、市民等の権利を不当に侵害しないよう留意し、その本来の目的を逸脱して濫用することがあってはならない。
附 則
この条例は、平成２２年８月１日から施行する。
（提出理由）
公衆に対する不当な勧誘行為等を防止するため必要な事項を定め、もって、市民が安心して生活できる環境を保持する必要がある。これが、この条例を提出する理由である。