意見書第35号 雇用・能力開発機構のあり方についての意見書について
議決日:平成20年12月22日
議決結果:否決
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│ 発議第35号 │
│ 雇用・能力開発機構のあり方についての意見書について │
│ 地方自治法第99条及び第112条の規定により意見書を次のとおり提出する。│
│ 平成20年12月22日提出 │
│ 熊本市議会議員 田 辺 正 信 │
│ 同 佐々木 俊 和 │
│ 同 村 上 博 │
│ 同 西 泰 史 │
│ 同 鈴 木 弘 │
│ 同 益 田 牧 子 │
│ 熊本市議会議長 牛 嶋 弘 様 │
│ 意 見 書 (案) │
│ 独立行政法人「雇用・能力開発機構」の今後のあり方などについて、十分配慮 │
│ されるよう強く要望いたします。 │
│ (理 由) │
│ 昨年末に閣議決定された「独立行政法人整理合理化計画」に基づき、行政減 │
│ 量・効率化有識者会議は9月17日、独立行政法人「雇用・能力開発機構」の業 │
│ 務について、廃止または地方・民間・他法人への移管を進め、同法人を解体する │
│ 方向性を示しました。 │
│ 一方、有識者会議とは別個に機構のあり方を検討してきた厚生労働省の検討会 │
│ は、近年の緊急雇用対策のほとんどが機構を主体として実施されてきたこと、離 │
│ 職者・在職者・学卒者の職業訓練において機構が雇用のセーフティネットとして │
│ 果たしてきた役割を評価しております。 │
│ また、雇用対策法は、女性や高齢者の就業、若者の雇用促進や不安定雇用に係 │
│ る雇用形態の改善に向け、職業訓練や職業能力検定に関する施策を充実させるこ │
│ とは国の責務であると明確に規定しております。全就業者の3分の1を上回るに │
│ 至った非正規雇用の増大、景気後退の下で進む期間工の雇い止めや中小企業の疲 │
│ 弊など、現在の厳しい雇用情勢を考慮すれば、労働者の職業訓練、能力開発にお │
│ ける国の責任と役割は、ますます増大しております。自社で訓練または研修を実 │
│ 施する余力はない中小企業の団体からも国の支援の必要性が強調されています。 │
│ 機構の業務の廃止、民間・地方への移管を一方的に進めるとするならば、職業 │
│ 訓練や能力開発における国の責任、役割を放棄することになりかねません。 │
│ よって、政府におかれては、機構の今後のあり方などについて、下記の事項を │
│ 十分配慮されるよう強く要望いたします。 │
│ 記 │
│ 1 職業訓練・能力開発における国の責任・役割を維持し、現在の厳しい経済・ │
│ 雇用情勢の下、非正規雇用や中小零細企業で働く労働者など、訓練機会に恵ま │
│ れない人に対する施策の充実を図ること。 │
│ 2 雇用・能力開発機構のあり方については、有識者会議と検討会の間で考え方 │
│ に違いがあることも踏まえ、廃止ありきで結論を急ぐのではなく、利用者から │
│ のていねいな意見聴取を含め、個別の業務実績を詳細に評価した上で、見直す │
│ べき点は見直すこと。 │
│ 3 職業訓練機能の民間・地方移管は、雇用対策法に示された国の責務を放棄す │
│ ることになりかねず、職業訓練・能力開発機能の水準低下や都道府県の財政力 │
│ の違いを背景にした訓練格差も懸念されていることから、拙速な結論づけは避 │
│ けること。 │
│ │
│ 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。 │
│ 平成 年 月 日 │
│ 議 長 名 │
│ 内閣総理大臣 ┐ │
│ 厚生労働大臣 ├宛(各通) │
│ 行政改革担当大臣 ┘ │
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