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意見書第33号 農地取得の規制緩和を見直し、優良農地の確保と有効利用を求める意見書について

本会議議決結果

議決日:平成20年12月22日
議決結果:可決

内容

┌──────────────────────────────────────┐
│ 発議第33号                               │
│   農地取得の規制緩和を見直し、優良農地の確保と有効利用を求める意見書に │
│   ついて                                │
│  地方自治法第99条及び第112条の規定により意見書を次のとおり提出す  │
│ る。                                   │
│   平成20年12月22日提出                      │
│            熊本市議会議員 坂 田 誠 二           │
│            同       江 藤 正 行           │
│            同       税 所 史 熙           │
│            同       古 川 泰 三           │
│            同       齊 藤   聰           │
│            同       田 辺 正 信           │
│            同       佐々木 俊 和           │
│            同       村 上   博           │
│            同       西   泰 史           │
│            同       鈴 木   弘           │
│            同       益 田 牧 子           │
│  熊本市議会議長 牛 嶋   弘 様                   │
│               意 見 書 (案)               │
│  農地の有効利用の促進と環境保全型農業の発展、農民の権利保護を図るため、 │
│ 所要の施策を講じられるよう要望いたします。                │
│ (理 由)                                │
│  農地は、国民共有の財産であり、食料自給率の向上や食料の安定供給、田畑な │
│ どの地域資源、農民の経営基盤として大きな役割を果たしております。     │
│  政府はこれまで、農業生産法人の要件緩和、特定法人貸付事業によるリース方 │
│ 式の全国展開などの規制緩和により株式会社の農業参入を進めてきましたが、最 │
│ 近では都道府県段階での違反転用や産廃の不法投棄など環境破壊が明らかになっ │
│ ております。                               │
│  農林水産省は、昨年「農地政策の展開方向について」を決定し、来年の通常国 │
│ 会に向けて農地法改正の準備を進めております。耕作放棄地の解消、優良農地の │
│ 確保については重要な課題ですが、所有から利用への転換による農地の有効利用 │
│ の促進については大きな問題があります。                  │
│  これは財界が強く主張していた所有と経営を分離すべきとの声を受けたもので │
│ すが、企業型農業経営では、利益が出なければ生産は放棄され、耕作放棄や農業 │
│ 以外の使用も懸念され、不法投棄などの環境破壊が進む危険性があります。   │
│  農地法の規制を緩め、企業型農業が広がれば、農地法の柱である農地は耕作者 │
│ が所有すること自体骨抜きとなり、森林や河川、水田などの生態系が壊され、家 │
│ 族農業、農村社会が崩壊する恐れがあります。また、食料安全保障や食料生産の │
│ 強化が重要な課題となっている中で、食料生産の基盤である農業や農地を利益優 │
│ 先の企業型経営に委ねることは極めて危険です。               │
│  よって、政府におかれては、農地政策の見直しにあたって責任をもって優良農 │
│ 地の確保・維持、国内の食料安定供給体制の強化と自給率の向上を進め、農地の │
│ 有効利用の促進と環境保全型農業の発展、耕作者である農民の権利保護を図るた │
│ めに、下記事項の実現を強く要望いたします。                │
│                   記                   │
│ 1 株式会社による農地の取得、長期貸借制度に関する規制緩和は安易に認める │
│  ことなく、生産法人による農業参入要件については厳しく監視し、これを維持 │
│  すること。                               │
│   また、耕作放棄地解消のため、農地の集落利用、市町村管理システムを確立 │
│  すること。                               │
│ 2 国は、耕作目的以外での農地の権利取得を排除するための権利移動規制を引 │
│  き続き堅持すること。                          │
│   農地転用許可制度や農業振興地域制度を厳格化し、転用許可事務については │
│  国による関与を高め、是正指導や罰則強化などの措置を講じること。     │
│ 3 国は、農地の所有者・利用者の責務、国や地方公共団体の役割・機能を明確 │
│  に規定するとともに、耕作放棄地の解消、減反農地の有効利用にむけた総合的 │
│  かつ具体的な支援策を掲示すること。                   │
│ 4 国は、食料自給率の向上、農地の総量確保を図るため、優良農地470万h │
│  の確保、NPOや市民による農業参入や農地保全管理への支援・予算措置を拡 │
│  充すること。                              │
│ 5 農業委員会による農地の監視や利用調整活動など、その機能や人員などの体 │
│  制強化を図るとともに、必置規制は堅持すること。             │
│ 6 中山間地域直接支払制度の恒久化と予算の増加を図るとともに、農地・水・ │
│  環境保全向上対策についても予算の増加を図り、将来における環境支払として │
│  の制度を創設すること。                         │
│ 7 農地の相続税納税猶予制度については、農地の維持・有効利用、新規就農の │
│  促進を図るため、自作地だけでなく農地利用が続いている貸付地も認めるよう │
│  見直すこと。                              │
│                                      │
│  以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。      │
│   平成  年  月  日                        │
│                      議  長  名         │
│                                      │
│ 内閣総理大臣    ┐                          │
│ 総務大臣      │                          │
│ 財務大臣      ├宛(各通)                     │
│ 農林水産大臣    │                          │
│ 内閣府特命担当大臣 │                          │
│ (規制改革担当)  ┘                          │
│                                      │
└──────────────────────────────────────┘

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