熊本市議会トップ

意見書・決議 審議結果一覧

詳細情報

件名

意見書第31号 WTO農業交渉、日豪経済連携協定(EPA)交渉に関する意見書について 

本会議議決結果

議決日:平成20年12月22日
議決結果:可決

内容

┌──────────────────────────────────────┐
│ 発議第31号                               │
│   WTO農業交渉、日豪経済連携協定(EPA)交渉に関する意見書について │
│  地方自治法第99条及び第112条の規定により意見書を次のとおり提出する。│
│   平成20年12月22日提出                      │
│                                      │
│            熊本市議会議員 坂 田 誠 二           │
│            同       藤 山 英 美           │
│            同       江 藤 正 行           │
│            同       税 所 史 熙           │
│            同       古 川 泰 三           │
│            同       齊 藤   聰           │
│            同       田 辺 正 信           │
│            同       佐々木 俊 和           │
│            同       村 上   博           │
│            同       田 尻 善 裕           │
│            同       西   泰 史           │
│            同       鈴 木   弘           │
│            同       益 田 牧 子           │
│  熊本市議会議長 牛 嶋   弘 様                   │
│              意 見 書 (案)               │
│  日本の農業を守り、食料輸入国や途上国における食料主権、多面的機能、多様 │
│ な共存を維持するため、所要の施策を講じられるよう要望いたします。     │
│ (理 由)                                │
│  米国が主導するWTO農業交渉(ドーハ・ラウンド)は、市場原理による食の │
│ グローバル化をめざし、鉱工業製品と同様に農産物の保護削減の基準を決め、自 │
│ 由貿易を進めるものです。                         │
│  7月の交渉では、米国など食料輸出国と輸入国の対立から土壇場で交渉が決裂 │
│ しましたが、今後、交渉再開が進むことが予想されます。日本政府は、関税の大 │
│ 幅な削減から除外できるコメなど重要品目の数を10%以上確保する姿勢から、 │
│ 調停案の「原則4%、条件・代償付きでプラス2%」について受け入れるかに見 │
│ えました。当時の若林農水大臣は談話で食料輸入国の立場で交渉の成功に貢献す │
│ る決意を示し、また金融サミットではなぜか自由貿易体制の重要性が強調され、 │
│ ドーハ・ラウンドを今年中に大枠合意に持ち込む決意が示され、農産物の関税削 │
│ 減に対する国民や農業者の不安が高まっています。              │
│  一方、日豪経済連携協定(EPA)交渉は、今年の8月までに計6回の会合が │
│ 開催されています。豪州の主な輸出農産物は、日本の重要品目(牛肉、小麦、砂 │
│ 糖、乳製品)と競合しており、農業生産の規模・効率性がケタ違いにある両国の │
│ 間で競争はまず成り立ちません。                      │
│  仮にこれらの関税が撤廃されると、豪州から大量に農産物が輸入され、重要品 │
│ 目の農業産出額は減少し、日本農業は壊滅状況になることが想定されます。さら │
│ に米国やカナダ、EUなどとのFTA交渉につながるおそれがあります。    │
│  食料危機が迫る中、本年6月の食料サミットでも、食料安全保障は恒久的な国 │
│ 家の政策であるとし、食料生産の強化、農業投資の拡大が宣言されており、日本 │
│ でも食料自給率の向上、食料生産体制の強化が重要な課題となっています。   │
│  よって、政府におかれては、日本の食料と地域の農業・農村・暮らしを守り、 │
│ 食料輸入国や途上国における食料主権、多面的機能、多様な農業の共存を維持す │
│ るためにも下記の事項を強く要望します。                  │
│                  記                   │
│ 1 WTO農業交渉では、関税の大幅な削減から除外できるコメなど重要品目の │
│  十分な数を断固確保するとともに、食料輸出国による関税の上限設定は絶対に │
│  阻止し、低関税輸入枠の拡大は認めないこと。先進国最低の食料自給率の向上 │
│  や担い手確保にむけて国内支持の柔軟性を確保すること。汚染米の原因となっ │
│  たミニマムアクセス米は減少させること。食料輸入国や途上国の唯一の対抗手 │
│  段である特別セーフガード(緊急輸入制限措置)を維持・拡大すること。   │
│ 2 WTOについては行き過ぎた貿易市場主義、削減されてきた農産物に対する │
│  関税、国境措置、輸出国と輸入国の不均衡などを根本から見直し、自由貿易が │
│  輸入国や途上国の食料安全保障や一次産業を衰退させ、貧困化を招き、環境負 │
│  高荷をめていることなどを考慮し、食料増産や各国の農業基盤の強化、環境保 │
│  の全、食安全など農業の価値を高める公正かつ新たな貿易ルールの確立を追求 │
│  すること。                               │
│ 3 政府においては、日豪EPA交渉にあたり、我が国の農業及び関連産業の持 │
│  続的発展と食料の安全保障を確保するため、国民の基礎的食料である牛肉、小 │
│  麦、乳製品、砂糖などの重要品目は関税撤廃の除外とし、国内農業を守るよう │
│  全力を挙げて交渉するとともに、重要品目の柔軟性について十分な配慮がなさ │
│  れない場合は、交渉の中止も含め、厳しい姿勢で臨むこと。         │
│                                      │
│  以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。      │
│   平成  年  月  日                        │
│                                      │
│                      議  長  名         │
│                                      │
│ 内閣総理大臣 ┐                             │
│ 外務大臣   ├宛(各通)                        │
│ 農林水産大臣 │                             │
│ 経済産業大臣 ┘                             │
│                                      │     
└──────────────────────────────────────┘

メニュー