意見書第20号 国民の疾病予防・健康増進策として温泉療法等の普及を求める意見書について
議決日:平成14年6月18日
議決結果:可決
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│ 発議第20号 │
│ 国民の疾病予防・健康増進策として温泉療法等の普及を求める意見書について│
│ 地方自治法第99条及び第112条の規定により意見書を次のとおり提出す│
│ る。 │
│ 平成14年6月18日提出 │
│ 熊本市議会議員 佐々木 俊 和 │
│ 同 中 松 健 児 │
│ 同 磯 道 文 徳 │
│ 同 鈴 木 弘 │
│ 同 益 田 牧 子 │
│ 熊本市議会議長 白 石 正 殿 │
│ 意 見 書 (案) │
│ 温泉資源を国民の健康増進・疾病予防に幅広く、かつ有効に活用するため、所│
│ 要の対策を早急に講じられるよう強く要望いたします。 │
│ (理 由) │
│ わが国は、ほとんどの都道府県に温泉が存在するなど、豊かな温泉資源に恵ま│
│ れています。温泉地は、古くから疾病の治療、予防、疲労回復および心身の癒し│
│ 等に広く活用されるとともに、近年においては余暇における保養や娯楽・レジャ│
│ ーとしても広く利用され、「国民の保養基地」として不可欠な役割を果たしてま│
│ いりました。 │
│ わが国における温泉地は、約2,988カ所(平成12年度)を数え、その延│
│ べ宿泊利用人員は約1億3,753万人(平成12年度)に上るなど、国民経済│
│ においても大きな位置を占めております。しかしながら、近年の長引く不況や自│
│ 然災害及び国民のレジャー観の変化などにより、「国民の保養基地」としての活│
│ 力を失い、かなりの部分にその疲弊が見られるなど地域振興の側面からも大きな│
│ 課題を抱えるに至っております。 │
│ こうした温泉地の現状を直視しつつ、温泉資源が有する役割と潜在的価値を見│
│ 直し、「国民の保養基地」としての役割をさらに大きく発揮させる必要がありま│
│ す。 │
│ すなわち国民の健康増進・疾病予防と医療費抑制の必要性が同時に要求されて│
│ いる今日、「温泉療養が医療費抑制に効果がある」とした国民健康保険中央会の│
│ 調査報告書(2000年2月)は大きな示唆に富むものであり、温泉資源を国民│
│ の健康増進・疾病予防にもっと幅広く、かつ有効に活用すべきであります。 │
│ そのためには、国民がもっと気軽に温泉地を利用できるよう、温泉地の交通通│
│ 信網の整備や国民健康増進施設等の整備、あるいは建物・施設のバリアフリー化│
│ を図るなどの特別措置を講ずる必要があります。 │
│ よって、政府におかれては、温泉資源の有する顕在的・潜在的価値が十分に発│
│ 揮できる対策を早急に講じられるよう下記事項について強く要望いたします。 │
│ 記 │
│ 1 温泉療法を普及させていくために、「温泉利用型健康増進施設」の増設を図│
│ ること。また認定要件の緩和により利用者の拡大を推進すること。さらに「温│
│ 泉療法医」や「温泉利用指導者」の養成・活用を図ること。 │
│ 2 温泉療法による療養にかかわる診療報酬について、日本温泉気候物理学会が│
│ 提出(平成11年7月)した「温泉療養指導管理料」として実現を図ること。│
│ 3 介護保険における要介護者に対する温泉療養を介護保険給付の対象とすると│
│ ともに、家族介護者に対する温泉療養も、家族介護者支援事業として認めるこ│
│ と。 │
│ 4 温泉療法の効能・効果についての科学的調査研究を実施するとともに、その│
│ 結果に基づいて温泉療法の医療保険適用を推進すること。 │
│ 5 国民の保養地として温泉地振興を図る観点から「温泉地振興法」を早期に制│
│ 定すること。 │
│ │
│ 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。 │
│ 平成 年 月 日 │
│ 議 長 名 │
│ 内閣総理大臣┐ │
│ 総務大臣 ├─宛(各通) │
│ 厚生労働大臣┘ │
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