意見書第7号 柳澤伯夫厚生労働大臣の辞任を求める意見書について
議決日:平成19年3月12日
議決結果:否決
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│ 発議第7号 │
│ 柳澤伯夫厚生労働大臣の辞任を求める意見書について │
│ 地方自治法第99条及び第112条の規定により意見書を次のとおり提出す │
│ る。 │
│ 平成19年3月12日提出 │
│ 熊本市議会議員 上 村 恵 一 │
│ 同 大 江 政 久 │
│ 同 佐々木 俊 和 │
│ 同 田 辺 正 信 │
│ 同 益 田 牧 子 │
│ 熊本市議会議長 税 所 史 熙 様 │
│ 意 見 書 (案) │
│ 柳澤伯夫厚生労働大臣の即刻の辞任がなされるよう要望いたします。 │
│ (理 由) │
│ 政府は、日本の深刻な人口減少社会への道を食い止めるべく、「子どもと家族 │
│ を応援する日本重点戦略検討会議」を設置し、少子化問題に取り組む姿勢を強く │
│ 打ち出しています。少子化の背景には、経済環境や社会環境、身体的・心理的環 │
│ 境などさまざまな要因があります。まずは、男女がともに子どもを安心して産み │
│ 育てられると思えるような環境を整備することが、厚生労働省の重要な責務であ │
│ ります。 │
│ しかし、柳澤伯夫厚生労働大臣は1月27日、松江市内で開かれた自民党県議 │
│ の決起集会で、「15から50歳の女性の数は決まっている。産む機械、装置の │
│ 数は決まっているから、あとは一人頭で頑張ってもらうしかない」などと発言し │
│ ました。この発言は、政府が果たすべき役割を棚上げし、少子化の問題を女性た │
│ ちに責任転嫁するものに他なりません。また、男女共同参画社会基本法に明記さ │
│ れている「女性の性と生殖の自己決定権」を尊重するという視点が、柳澤大臣に │
│ 欠落していることに驚きを禁じえません。 │
│ 柳澤大臣は、後に発言を「適切ではなかった」と釈明していますが、女性を意 │
│ 思のない"産む機械"と例えることは、戦前・戦中の国策であった「産めよ殖や │
│ せよ」にも通じ、女性の人格と人権を踏みにじるもので、断じて許されるもので │
│ はありません。また、その後も「若者は結婚し、子どもは2人以上持ちたいとい │
│ う極めて"健全"な状況にある」と発言するなど、さまざまな生き方や考え方、 │
│ さまざまな家族があるということに配慮しない、大臣の少子化に対する考えを露 │
│ 呈しています。 │
│ いま、国がすべきことは、単なる出産奨励ではなく、望む人が望むときに子ど │
│ もを産み育てるための子育て支援、そして、現実に直面している少子高齢を前提 │
│ にした社会の枠組みの編成であるべきであります。 │
│ 現実を無視した柳澤大臣の発言は、少子化対策を担当する大臣として不適格で │
│ あり、このような認識の厚労大臣のもとで提出される法案であるなら、その本意 │
│ を疑わざるを得ません。 │
│ 任命権者としての安倍首相の責任は重く、厳重注意と謝罪ではすまされませ │
│ ん。 │
│ よって、政府におかれては、柳澤伯夫厚生労働大臣の即刻の辞任がなされるよ │
│ う強く要望いたします。 │
│ │
│ 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。 │
│ 平成 年 月 日 │
│ 議 長 名 │
│ │
│ 内閣総理大臣 ┐ │
│ ├ 宛(各通) │
│ 厚生労働大臣 ┘ │
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