意見書第14号 障害者自立支援法の抜本的な改正を求める意見書について
議決日:平成18年9月20日
議決結果:否決
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│ 発議第14号 │
│ 障害者自立支援法の抜本的な改正を求める意見書について │
│ 地方自治法第99条及び第112条の規定により意見書を次のとおり提出する。│
│ 平成18年9月20日提出 │
│ 熊本市議会議員 佐々木 俊 和 │
│ 同 田 辺 正 信 │
│ 同 磯 道 文 徳 │
│ 同 鈴 木 弘 │
│ 同 益 田 牧 子 │
│ 同 白河部 貞 志 │
│ 熊本市議会議長 税 所 史 熙 様 │
│ 意 見 書 (案) │
│ 障害者の自立と社会参加を求める立場から、障害者自立支援法について特段の │
│ 措置を講じられるよう要望いたします。 │
│ (理由) │
│ 本年4月から障害者自立支援法が施行され、障害者の施設や居宅支援の利用に │
│ 応益(定率)負担制度が導入されました。この制度の導入はそれまでの応能負担 │
│ の考え方を応益負担に転換する大きな変革であり、障害者及び施設運営者から多 │
│ くの要望が出されるに至っています。 │
│ これを受け、地方自治体によっては、サービス利用料・自立支援医療費につい │
│ て独自の負担軽減策を打ち出したところもあります。 │
│ さらに10月から、新サービス体系への移行、新たな障害程度区分に基づく支 │
│ 給決定など本格的な施行が始まるため、障害者、家族、事業所への影響が予想さ │
│ れます。 │
│ 8月25日、「障害者の権利条約」案は、国連特別委員会で合意がなされ、年 │
│ 内に国連総会で採択される予定となりました。 │
│ よって、政府におかれては、世界の潮流に鑑み、真に障害者に対する差別を撤 │
│ 廃し、障害者の自立と社会参加を求める立場から、下記事項について特段の措置 │
│ を講じられるよう強く要望いたします。 │
│ 記 │
│ 1 障害者自立支援法施行による障害当事者、家族、事業者、地方自治体への影 │
│ 響調査を早急に行い、真にノーマライゼーションの理念に則して同法の検証を │
│ 行うこと。 │
│ 2 授産施設など就労支援施設にかかる利用料負担については、就労支援に支障 │
│ とならないよう特段の措置を行うこと。また、10月から導入される障害乳幼 │
│ 児の療育に関する応益負担についても、児童福祉法の理念を踏まえてさらなる │
│ 見直しを図ること。 │
│ 3 障害者・障害児が安心して医療を受けられるよう、自立支援医療については │
│ さらなる軽減措置を図ること。 │
│ 4 障害者程度区分の認定については、知的障害や精神障害の判定が難しいこと │
│ から、介護保険制度に準じた判定基準を当てはめるのではなく、障害当事者の │
│ 個々の生活ニーズに基づく支給決定の仕組みを確立すること。 │
│ 5 地域生活支援事業(相談支援、移動支援など)は、国の裁量的経費であり補 │
│ 助金によって事業内容が制限される。自治体の積極的な取り組みが可能となる │
│ よう地域生活支援事業の予算を大幅に増額すること。 │
│ 6 自治体間の格差を是正し、障害者の地域生活の充実を図るために、地域生活 │
│ 基盤の緊急整備を行うこと。 │
│ 7 地方自治体が行う独自の軽減策について、一定の国の支援がなされるよう法 │
│ の整備を図ること。 │
│ │
│ 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。 │
│ 平成 年 月 日 │
│ 議 長 名 │
│ 内閣総理大臣┐ │
│ ├ 宛(各通) │
│ 厚生労働大臣┘ │
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