意見書第32号 三位一体改革に関する意見書について
議決日:平成16年12月20日
議決結果:可決
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│ 発議第32号 │
│ 三位一体改革に関する意見書について │
│ 地方自治法第99条及び第112条の規定により意見書を次のとおり提出す │
│ る。 │
│ 平成16年12月20日提出 │
│ 熊本市議会議員 牛 嶋 弘 │
│ 同 佐々木 俊 和 │
│ 同 主 海 偉佐雄 │
│ 同 江 藤 正 行 │
│ 同 税 所 史 熙 │
│ 同 津 田 征士郎 │
│ 同 田 辺 正 信 │
│ 同 田 尻 清 輝 │
│ 同 藤 山 英 美 │
│ 同 磯 道 文 徳 │
│ 同 鈴 木 弘 │
│ 同 白河部 貞 志 │
│ 熊本市議会議長 古 川 泰 三 殿 │
│ 意 見 書 (案) │
│ 三位一体改革について、地方と十分に協議し、その具体的内容において、地方│
│ 分権の確立を図るという、改革の本来の精神に合致したものとすることを早急に│
│ 明確にされるよう要望いたします。 │
│ (理 由) │
│ 去る11月26日、三位一体改革の全体像についての政府・与党合意案がまと│
│ められました。その内容を見ると、所得税から個人住民税への移譲による概ね3│
│ 兆円規模の税源移譲が明記されるなど一定の評価をすべき点もありますが、一方│
│ で、地方六団体が提出した改革案からすれば、重要な部分は先送りされ、地方分│
│ 権の確立を図るという本来の改革の精神にそぐわないものが盛り込まれるなど、│
│ 地方から見れば、不十分な内容と言わざるを得ません。 │
│ 例えば、地方が強く求めていた公共事業・施設整備関係の国庫補助負担金削減│
│ は、ほとんどが見送られ、社会保障関係では、地方案になかった国民健康保険の│
│ 国庫負担金の削減が盛り込まれるとともに、国からの法定受託事務であり、単な│
│ る負担のつけ回しにすぎない生活保護や児童扶養手当の国庫負担率引き下げが平│
│ 成17年秋までの継続協議とされています。 │
│ また、平成17、18年度は、地方団体の安定的な財政運営に必要な地方交付│
│ 税、地方税などの一般財源総額を確保すると明記されたものの、まだその具体的│
│ 内容は明らかではありません。 │
│ よって、政府におかれては、三位一体改革の本来の趣旨である、地方の自由度│
│ を増し地方の裁量権を拡大するという観点に立って、地方との協議を行いなが │
│ ら、下記事項について早急に明確にされるよう強く要望いたします。 │
│ 記 │
│ 1 自治体の税財政基盤の拡充強化は、地方分権改革の残された最大の課題であ│
│ り、国と地方の事務配分を踏まえた税源移譲が何よりも必要である。 │
│ 「三割自治」「補助金行政」から脱却し、住民の共同意思に基づいて自己決│
│ 定できる自治体財政を確立するためにも、国から地方への税源移譲を決して先│
│ 送りしないこと。 │
│ 2 公共事業・施設整備関係国庫補助負担金を廃止し税源移譲する範囲を拡大す│
│ ること。 │
│ 3 国民健康保険に関し、あらかじめ、新たな都道府県負担の内容を明確化する│
│ こと。 │
│ 4 平成17、18年度の地方交付税、地方税等の一般財源総額について、税源│
│ 移譲分を除き、税源が移譲されても、税源が偏在すること等による地方公共団│
│ 体間の財政力格差の是正と必要な行政水準の維持確保を図るために、地方交付│
│ 税の有する財源保障と財源調整の二つの機能を堅持すること。 │
│ また、平成16年度並みを確保すること。 │
│ 5 国庫補助負担金の廃止及び縮減に当たっては、必要とされる事務事業である│
│ 限り、地方への負担転嫁をもたらすことのないよう、税源移譲等による代替措│
│ 置を必ず講じること。 │
│ 6 地方自治に関する国の関与・規制の見直しについても、さらに真摯に努力│
│ し、今後の対応方針を明らかにすること。 │
│ 7 補助金改革の工程表を示すこと。 │
│ │
│ 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。 │
│ 平成 年 月 日 │
│ 議 長 名 │
│ 内閣総理大臣 ┐ │
│ 総務大臣 │ │
│ ├─宛(各通) │
│ 財務大臣 │ │
│ 厚生労働大臣 ┘ │
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