意見書第2号 食の安全を守り、食料自給率のアップを求める意見書について
議決日:平成16年3月26日
議決結果:可決
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│ 発議第2号 │
│ 食の安全を守り、食料自給率のアップを求める意見書について │
│ 地方自治法第99条及び第112条の規定により意見書を次のとおり提出す│
│ る。 │
│ 平成16年3月26日提出 │
│ 熊本市議会議員 牛 嶋 弘 │
│ 同 家 入 安 弘 │
│ 同 主 海 偉佐雄 │
│ 同 江 藤 正 行 │
│ 同 税 所 史 熙 │
│ 同 津 田 征士郎 │
│ 同 佐々木 俊 和 │
│ 同 村 上 博 │
│ 同 田 尻 清 輝 │
│ 同 藤 山 英 美 │
│ 同 磯 道 文 徳 │
│ 同 鈴 木 弘 │
│ 同 益 田 牧 子 │
│ 熊本市議会議長 落 水 清 弘 殿 │
│ 意 見 書 (案) │
│ 安全・安心な食料の安定供給と食料自給率のアップに向け特段の措置を講じら│
│ れるよう強く要望いたします。 │
│ (理 由) │
│ 「食料・農業・農村基本法」に基づき、平成12年度、食料自給率45%を目│
│ 標とした「食料・農業・農村基本計画」が策定され、これに基づき食料の安定供│
│ 給の確保や農業の持続的な発展、農村振興などを柱とする諸施策が実施されてき│
│ ました。 │
│ しかしながら、食の多様化・外部化など食料消費構造の変化、食品製造業等の│
│ 低価格な輸入食材への依存、特に牛肉や鶏肉類は大きく輸入に依存しており、今│
│ 回のアメリカにおけるBSE、ベトナム、中国での鳥インフルエンザの発生は、│
│ 国民生活に多大な影響を及ぼす事態となっています。 │
│ このような中で国産農産物の価格は低迷し、我が国の農業、農山村を取り巻く│
│ 環境は、担い手の高齢化や後継者不足、中山間地域を中心とした過疎化など、依│
│ 然深刻な状況が続いております。 │
│ 今後、WTOやFTA交渉の行方次第では輸入農産物はさらに増大し、食料・│
│ 農業・農村基本法の基本理念である国民に対する食料の安定的な供給の確保、農│
│ 業の持続的な発展、農村の振興の実現は困難なものになりかねません。 │
│ 30年ほど前、我が国と同程度の食料自給率であったイギリスやドイツにおい│
│ ては、現在、それぞれ61%と99%と大きく上昇しておりますが、我が国で│
│ は、現在、40%を下回ろうとしており、極めて深刻な状況にあります。国民に│
│ 安全・安心な食料を安定供給することは国の最重要課題の一つであります。 │
│ よって、政府におかれては、現在検討されている「食料・農業・農村基本計│
│ 画」の見直しにおいて、下記の事項に留意され、我が国食料自給率45%を達成│
│ するための抜本的な改革を強力に推進されるよう強く要望いたします。 │
│ 記 │
│ 1 自給率の低い小麦や大豆、飼料作物などの再生産可能な価格を保障し、供給│
│ 量の安定を図ること。 │
│ 2 効率第一主義から安全で安心な畜産物生産に転換し、BSEを克服するた│
│ め、肉骨粉や遺伝子組み換え飼料に依存せず国内における飼料の自給を高め、│
│ また生産者と消費者が連携した安全な酪農(有機畜産)を確立するため、耕種│
│ 農家と畜産農家との連携体制を整えること。 │
│ 3 健康的で風土に即した、コメを中心とした日本型食生活を普及するなど、食│
│ の改善に資する「食育基本法」を早急に制定すること。 │
│ 4 農村が食糧生産の供給基地であり、併せて国土の保全や水源かん養、良好な│
│ 景観の形成など多面的な機能を有することについて国民的な理解を得るよう努│
│ 力すること。このことについて、特に重要な役割を担う中山間地域について、│
│ 持続的に農業生産活動が維持されるよう、格別の措置を講じること。 │
│ 5 安全で安心な食料は地場で生産し地場で消費するという地産地消を推進させ│
│ ること。 │
│ 6 WTO及びFTA交渉においては、我が国農業の重要性を再認識し、農業を│
│ 犠牲とした安易な妥結を行わないこと。 │
│ │
│ 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。 │
│ 平成 年 月 日 │
│ 議 長 名 │
│ 内閣総理大臣┐ │
│ ├─宛(各通) │
│ 農林水産大臣┘ │
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