意見書第7号 児童扶養手当の削減案撤回を求める意見書について
議決日:平成14年3月27日
議決結果:否決
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│ 発議第7号 │
│ 児童扶養手当の削減案撤回を求める意見書について │
│ 地方自治法第99条及び第112条の規定により意見書を次のとおり提出す│
│ る。 │
│ 平成14年3月27日提出 │
│ 熊本市議会議員 大 江 政 久 │
│ 同 上 村 恵 一 │
│ 同 家 入 安 弘 │
│ 同 佐々木 俊 和 │
│ 同 中 松 健 児 │
│ 同 益 田 牧 子 │
│ 熊本市議会議長 白 石 正 殿 │
│ 意 見 書 (案) │
│ 母子家庭の生活実態にかんがみ、児童扶養手当の見直し案を撤回されるよう強│
│ く要望いたします。 │
│ (理 由) │
│ 厚生労働省は、「子どものしあわせを第一に考えた総合的な母子家庭等の自立│
│ 支援策」を明らかにしました。その中で、子育てと生活の場の整備、就労支援、│
│ 養育費確保と並列し、経済的支援体制の整備として、児童扶養手当の見直し案を│
│ 示し、来年度から順次実施する意向であります。 │
│ しかし、見直し案は、年収の限度額を引き上げ支給対象世帯を拡大しているも│
│ のの、満額支給の要件を厳しくし、非課税世帯からも減額措置を行おうとしてい│
│ ます。母子家庭の平均所得は一般に低く、見直しにより母子世帯の約半数で手当│
│ が減ると推定されます。(「日本労働研究機構」母子家庭調査/2001年10│
│ 月発表で試算) │
│ また、平成15年度からの本格実施にあたっては、支給期間を5年間に短縮│
│ し、請求期限も5年とする案が盛り込まれています。現在は、子どもが18歳に│
│ なる年度末(高校卒業)まで支給されており、この短縮は、母子家庭を不安定な│
│ 状況に置くばかりか、子どもの就学の権利をも奪うことになります。 │
│ 長引く不況は、競争力の弱い立場にある母子家庭を直撃しています。労働意欲│
│ があり、たとえ資格を得ても、現実には不安定なパートなどの仕事にしか就けな│
│ いというのが実情であります。平均年収が一般家庭の約三分の一である生別母子│
│ 家庭にとって、児童扶養手当は命綱であります。 │
│ 厚生労働省は、離婚件数の増加によって財政がひっ迫していることを理由に、│
│ 支給総額を抑制する同案を推し進めています。しかし、母子家庭への就労支援策│
│ の効果も見えず、養育費徴収の法制化も未整備のまま実施に踏み切ることは、母│
│ 子家庭の生活を無視しています。「子どものしあわせを第一に考えた」自立支援│
│ 策とは到底言えません。 │
│ よって、政府におかれては、児童扶養手当の見直し案を撤回されるよう強く要│
│ 望いたします。 │
│ │
│ 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。 │
│ 平成 年 月 日 │
│ 議 長 名 │
│ 内閣総理大臣┐ │
│ ├─宛(各通) │
│ 厚生労働大臣┘ │
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