意見書第18号 官僚による汚職・不祥事の真相と責任を早期に解明し、再発防止策の確立を求める意見書について
議決日:平成08年12月18日
議決結果:可決
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発議第一八号
官僚による汚職・不祥事の真相と責任を早期に解明し、再発防止策の確立を求める意見書について
地方自治法第九十九条第二項及び第百十二条の規定により意見書を左の通り提出する。
平成八年十二月十八日提出
熊本市議会議員 江 藤 正 行
同 奧 田 光 弘
同 竹 本 勇
同 嶋 田 幾 雄
同 税 所 史 熙
同 田 尻 将 博
同 内 田 三千夫
同 大 石 文 夫
同 牛 嶋 弘
同 磯 道 文 徳
同 島 田 俊 六
同 上 村 恵 一
同 田 辺 正 信
熊本市議会議長 荒 木 哲 美 殿
意 見 書(案)
官僚による汚職・不祥事の真相と責任を早期に解明し、法律の見直しや新法の制定を含めた具体的な防止策を確立されるよう強く要望いたします。
(理 由)
その継続性と安定性から、優位性を誇っていた日本の官僚機構。しかしこの官僚神話は崩壊し、もはや通用しなくなってしまいました。
昨年、大蔵省の元主計局次長による副業疑惑などが明るみに出て大きな社会問題になりました。そして本年、薬害エイズ問題では厚生省の対応が糾弾されたばかりなのに、今度は厚生官僚が逮捕されました。
この事件は、埼玉県の社会福祉グループによる特別養護老人ホームの認可に絡む汚職容疑で、元厚生省課長補佐が逮捕され、続いて六万人の厚生省職員のトップである事務次官が同グループの代表から六千万円もの現金や海外旅行の接待を受けていたことなどが発覚、逮捕されたものです。
さらには石油卸業者による巨額の脱税事件に絡み、一部資金が通産省官僚などの接待などに充てられていた疑いが判明、通産官僚六名が処分されるなど、官僚の腐敗が次々と露呈しています。
これら一連の事件は、官僚腐敗の氷山の一角ではないかとの国民の疑惑は払拭することはできず、特に早急に迎える高齢社会に対応するため、福祉の充実に向け国民に負担を求める中での事件であり、国民の血税を食い物にしていることに国民の怒りは頂点に達しています。
政府はこの国民の声を真摯に受けとめ、行政に対する国民の信頼を早急に回復するため、これら事件の真相を徹底的に解明し、再発防止に全力をあげなければなりません。
特に、巨大な権限を握る官僚が腐敗、不祥事を日常的に繰り返すさまは、まともな民主国家の姿とは言えず、これを単に「個人の倫理の問題」と片付けてはならず、「公務員倫理法」や「倫理コード」の制定などを含め、徹底した防止策の確立が不可欠です。
よって、政府におかれては、各省庁の汚職・不祥事の真相と責任を早期に解明し、法律の見直しや新法の制定を含めた具体的な防止策の確立をされるよう強く要望致します。
右、地方自治法第九十九条第二項の規定により意見書を提出いたします。
平成 年 月 日
議 長 名
内閣総理大臣 宛(各通)
法務大臣
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