意見書第24号 内需を喚起し景気を回復するための減税を求める意見書について
議決日:平成09年12月16日
議決結果:否決
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発議第二四号
内需を喚起し景気を回復するための減税を求める意見書について
地方自治法第九十九条第二項及び第百十二条の規定により意見書を左の通り提出する。
平成九年十二月十六日提出
熊本市議会議員 亀 井 省 治
同 磯 道 文 徳
同 西 野 法 久
同 中 沢 誠
同 西 泰 史
同 島 田 俊 六
同 鈴 木 弘
熊本市議会議長 主 海 偉佐雄 殿
意 見 書 (案)
景気回復の手段として内需を喚起するため、大幅な減税を速やかに行われるよう強く要望いたします。
(理 由)
経済企画庁は十二月の月例経済報告で、「景気回復」という表現を削除し、政府の景気判断を更に後退させる見通しを明らかにしました。これは十一月の月例経済報告で「景気は回復の基調は失われていないものの、足踏み状態にある」との判断を大幅に後退させ「足踏み状態」とだけを盛り込むことによって、より厳しい認識を示そうというもので、回復という表現がなくなるのは一年十一カ月ぶりのことになります。また、日銀の「秋の情勢判断資料」では「内需原則の影響が企業収益や雇用・所得面にも徐々に及びつつある」としており、景気の落ち込みと先行きが極めて厳しいものになっていることを示しています。
このような状況の中、企業倒産や雇用の低迷が続いており、特に中小企業への影響は深刻になってきています。帝国バンクの調査によれば、今年度上半期の倒産件数は前年度に比べ一一・七パーセントも増加しており、そのほとんどを中小企業が占めている状態です。
更にこれに追い打ちをかけるように、北海道拓殖銀行、徳陽シティ銀行の破綻、三洋証券の会社更生法の申請、山一証券の自主廃業という金融不安が相次ぎ、特に中小企業にとっては内需の低迷に加えて、この金融不安による金融機関の「貸し渋り」が顕在化しつあり、日本経済を本格的な不況へと突入させかねない状況になっています。通産省が行った中小企業への「貸し渋り」の実態調査では、二二・五パーセントの事業者が「貸し渋り」を感じており、十一月より三ポイントの増加となっています。
こうした中、政府税調会長が十一月末に「法人税を下げることが景気回復の王道である」との発言があったように、こうした状況下から抜け出すためには、歳出の計画的な削減や規制緩和、あるいは新規産業の振興支援等により内需を拡大して、冷えつつある景気の回復を図ることは勿論のこと、所得税・法人税・その他政策減税による「大幅減税」によって内需の喚起が重要であります。またこのための財源としては、行財政改革による歳出の削減効果や景気回復による税収増で賄えない部分については、国債発行によってでも確保すべきであります。
よって、政府におかれては、我が国経済の深刻な状況に鑑み、内需を喚起するため、大幅減税を速やかに行われるよう強く要望いたします。
右、地方自治法第九十九条第二項の規定により意見書を提出いたします。
平成 年 月 日
議 長 名
内閣総理大臣 宛(各通)
大蔵大臣
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