意見書第21号 医療保険制度の改悪に反対する意見書について
議決日:平成09年9月19日
議決結果:否決
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発議第二一号
医療保険制度の改悪に反対する意見書について
地方自治法第九十九条第二項及び第百十二条の規定により意見書を左の通り提出する。
平成九年九月十九日提出
熊本市議会議員 亀 井 省 治
同 磯 道 文 徳
同 西 野 法 久
同 中 沢 誠
同 西 泰 史
同 島 田 俊 六
同 鈴 木 弘
同 上 村 恵 一
同 田 辺 正 信
熊本市議会議長 主 海 偉佐雄 殿
意 見 書 (案)
医療保険制度改革案(厚生省案)を速やかに撤回し、国民の英知を集めた改革案を再度検討されるよう強く要望いたします。
(理 由)
本年九月より高齢者やサラリーマン本人の医療費の大幅な自己負担増を中心とする医療保険制度の改悪がスタートしたばかりであるにもかかわらず、それをはるかに上回る国民負担を前提とした医療保険制度の改悪案が厚生省より提案されました。
それによればサラリーマン本人の窓口負担は、一挙に三割へ、高齢者についても、現行の定額から一〜二割の定率負担に大幅に跳ね上がるうえに、大病院ではこれが五割とすることとなっております。
また薬代においても、保険が支払う償還基準額を超えた差額部分は患者の自己負担とするとともに、技術の高い医師や医療機関は保険以外の別料金や療養環境に応じた施設利用料を患者から別途徴収できることにするなど、患者からみれば、すべてが著しい負担増につながる内容となっており、さらにボーナスからの保険料の徴収も計画されております。
一方、医療費の高コスト構造の要因である医療提供機関の効率化案として公的薬価制度の廃止や、診療報酬の出来高払いと定額払いの組合せ等が提案されていますが、その医療費抑制効果はまったく不明なうえに、医師数の削減や医療機関の適正配置さらに高額な医療機器価格の是正等については極めて不明瞭な案となっております。
今回の改悪案での大きな問題点は、医療費の負担増をすべて患者や被用者に押し付けるとともに、政府管掌保険への国庫負担の削除を予定するなど、医療に対する公的責任を放棄していることであります。
これらの観点から総合すると、今回の改悪案は抜本改正案とは名ばかりで、単なる国民の負担増が中心であり、医療から国民を著しく遠ざけるばかりでなく、本来、公費負担とすべき高齢者の医療費を若い世代にすべて押しつけるなど医療保険原理からも逸脱したものとなっており、とうてい容認できるものではありません。
よって、政府におかれては、今回の改悪案を速やかに撤回し、国民の英知を集めた改革案を再度検討されるよう強く要望いたします。
右、地方自治法第九十九条第二項の規定により意見書を提出いたします。
平成 年 月 日
議 長 名
内閣総理大臣
大蔵大臣 宛(各通)
厚生大臣
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