意見書第11号 規制緩和にともなう地方公共交通の維持方策を求める意見書について
議決日:平成09年6月19日
議決結果:可決
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発議第一一号
規制緩和にともなう地方公共交通の維持方策を求める意見書について
地方自治法第九十九条第二項及び第百十二条の規定により意見書を左の通り提出する。
平成九年六月十九日提出
熊本市議会議員 江 藤 正 行
同 内 田 三千夫
同 竹 本 勇
同 嶋 田 幾 雄
同 税 所 史 熙
同 田 尻 将 博
同 大 石 文 夫
同 牛 嶋 弘
同 上 村 恵 一
同 田 辺 正 信
同 磯 道 文 徳
同 鈴 木 弘
熊本市議会議長 主 海 偉佐雄 殿
意 見 書 (案)
公共交通の規制緩和にあたっては公共性と公益性を維持され、安全輸送が担保されますよう強く要望いたします。
(理 由)
運輸省は昨年十二月に鉄道、バスの「受給調整規制の廃止・運賃上限価格制への移行をおおむね三年ないし五年後」とするとしてそのための環境を整備するとともに「利用者保護、安全確保などの観点から必要な措置を講じる」という許認可制を基本とした運輸行政の転換を示す諸規制の見直しの方針を明らかにしました。本年三月には新たな見直し事項を加えるとともにその実施内容を具体的に示したところです。
しかし、公共交通への規制緩和は事業の乱立と過当競争を促し輸送秩序の混乱を招くことも予想され、安全輸送の確保に不安を生じかねません。もっとも危惧されることは採算に合わない過疎路線の廃止がすすみ、交通空白地域の出現で通学児童・生徒や通勤者、高齢者などクルマを利用できない人、利用しない人の日常生活に多大な不便を強いる事態に追い込まれることさえ考えられます。
よって、政府におかれては、公共交通の規制緩和にあたっては公共性と公益性を維持され、安全輸送が担保されるため次のような措置を講じられるよう強く要望いたします。
記
一 タクシー、貸切バス、乗合バス、鉄道に関する需給調整規制の見直しにあたっては、公共性・公益性を重視し慎重に対応されたい。また、環境、社会的に守られるべき条件整備、利用者保護、周知徹底期間の十分な保障の確立、確保の上での目標期限の設定とされたい。
二 公平、公正競争の確立のため、事業者間の経営基盤の差異を是正(各種税制措置、労働者の最低労働条件)する措置と基準の設定をされたい。
三 事業者の資質の確保と継続性の観点から新規参入・退出基準の確立を図られたい。
四 運賃の上限価格制への移行に当っては、段階的にゾーン運賃制(上限・下限制)の導入など弾力的な運用をされたい。
五 地域住民の生活に必要不可欠な地方鉄道、乗合バスの政策上必要とされる生活路線の維持方策は福祉政策と位置づけ補助対策と制度を確立されたい。
六 需給調整規制の見直し、地方鉄道、乗合バスの生活路線の維持方策については、関係方面の意見要望など運政審・国会審議の場に反映できるよう中央・地方レベルでの協議会の設置をされたい。
右、地方自治法第九十九条第二項の規定により意見書を提出いたします。
平成 年 月 日
議 長 名
内閣総理大臣
運輸大臣 宛(各通)
総務庁長官
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