意見書第10号 外国人学校への大学入学資格付与早期実現を求める意見書について
議決日:平成15年7月2日
議決結果:可決
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│ 発議第10号 │
│ 外国人学校への大学入学資格付与早期実現を求める意見書について │
│ 地方自治法第99条及び第112条の規定により意見書を次のとおり提出す │
│ る。 │
│ 平成15年7月2日提出 │
│ 熊本市議会議員 牛 嶋 弘 │
│ 同 家 入 安 弘 │
│ 同 主 海 偉佐雄 │
│ 同 江 藤 正 行 │
│ 同 税 所 史 熙 │
│ 同 津 田 征士郎 │
│ 同 佐々木 俊 和 │
│ 同 村 上 博 │
│ 同 田 尻 清 輝 │
│ 同 藤 山 英 美 │
│ 同 磯 道 文 徳 │
│ 同 鈴 木 弘 │
│ 同 益 田 牧 子 │
│ 熊本市議会議長 落 水 清 弘 殿 │
│ 意 見 書 (案) │
│ 国際人権規約や子どもの権利条約などの趣旨に鑑み、外国人学校への大学入学│
│ 資格付与を早期に実現されるよう強く要望いたします。 │
│ (理 由) │
│ 近年、我が国に中・長期的に滞在する外国人が増加しており、これら外国人の│
│ 子弟の多くが日本国内にあるインターナショナルスクールや外国人学校に通学し│
│ ております。彼らが我が国の国立大学などを受験しようとする場合、現在は大学│
│ 入学資格検定(大検)に合格しなければ入試を受けることができません。 │
│ しかし、規制改革推進3カ年計画(平成14年3月29日閣議決定)は「イン│
│ ターナショナルスクールにおいて、一定水準の教育を受けて卒業した生徒が希望│
│ する場合には、我が国の大学や高等学校に入学する機会を拡大する」と受験資格│
│ の弾力化を提案しました。 │
│ これを受けて今年3月、文部科学省は、教育に関する規制緩和の一環として、│
│ WASC(西部地区基準協会)など3つの英米学校評価機関によって認定された│
│ 欧米系のインターナショナルスクール16校に大学入学資格を認めることとしま│
│ した。一方、中華学校、韓国学校、朝鮮学校などアジア系を中心としたその他の│
│ 外国人学校17校は除外される形となったため、アジア系学校などの関係者が強│
│ く反発したところであります。文部科学省が国民に募集して寄せられた意見のう│
│ ち、96%が「アジア系など他の外国人学校にも認めるべき」としたこともあ│
│ り、当初の方針を撤回してアジア系学校などにも認める方向で再検討することと│
│ なったところであります。 │
│ 能力に応じてすべての人に差別なく教育の場を保障しようとする国際人権規約│
│ や子どもの権利条約などの趣旨から言っても、欧米系学校とアジア系学校を差別│
│ することは問題でありました。 │
│ 90年代後半から私立大学などは教授会などの決定でアジア系学校の卒業生に│
│ 受験資格を認めていることから鑑みても、国立大学の対応がおくれていたことは│
│ 否めません。 │
│ よって、政府におかれては、日本国内のインターナショナルスクールや外国人│
│ 学校に通う子供たちが2004年度の大学入学試験に間に合うよう、大学入学資│
│ 格付与を早期に実現されるよう強く要望いたします。 │
│ │
│ 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。 │
│ 平成 年 月 日 │
│ 議 長 名 │
│ 内閣総理大臣┐ │
│ ├─宛(各通) │
│ 文部科学大臣┘ │
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