意見書第19号 少子化対策の総合的推進に関する意見書について
議決日:平成10年9月22日
議決結果:可決
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発議第一九号
少子化対策の総合的推進に関する意見書について
地方自治法第九十九条第二項及び第百十二条の規定により意見書を左の通り提出する。
平成十年九月二十二日提出
熊本市議会議員 江 藤 正 行
同 内 田 三千夫
同 竹 本 勇
同 嶋 田 幾 雄
同 税 所 史 熙
同 奧 田 光 弘
同 田 尻 将 博
同 大 石 文 夫
同 牛 嶋 弘
同 上 村 恵 一
同 田 辺 正 信
同 磯 道 文 徳
同 鈴 木 弘
熊本市議会議長 主 海 偉佐雄 殿
意 見 書 (案)
少子化対策を総合的に推進するため、諸施策を講じられるよう強く要望いたします。
(理 由)
わが国において、一九九七年度の合計特殊出生率(一人の女性が一生の間に産む子供の数の平均)は、前年度一・四三を更に下回り、一・三九と、統計史上最低を記録したところであります。
厚生白書によると、わが国の総人口の見通しは、二〇〇七年をピークに減少に転じ、現在一億二六〇〇万人の人口は、二〇五〇年に約一億人、二一〇〇年に約六七〇〇万人になると推計されており、仮にこの推計どおりに少子化が進み、総人口が減少すれば、経済や社会等々の広範な分野に極めて甚大な影響を与えずにはおかない状況にあります。
特に経済成長へのマイナス影響が指摘されているとともに、その財源や原資を経済成長から得、かつ世代間の扶助を原理とする社会保障に対して、特に深刻な影響を及ぼすことが予測され、さらには国民の活力や文化等に与える影響においても、看過し得ないものがあります。
従って、政府においては、中長期的視野に立って、一定の人口水準が維持されるよう、総合的かつ効果的な少子化対策を早急に講ずる必要があります。
わが国の出生率の低下をもたらした原因として、男女共に未婚率が上昇していることや、女性の社会進出やその価値観の変化等もありますが、基本的にわが国は、女性が働きながら子供を産み、育てるうえで極めて厳しい条件下に置かれていることによるものであります。それは労働・雇用、育児・保育、住宅そして教育等々、広範な分野にまたがっており、総合的な対策が必要な所以であります。
よって、政府におかれては、「子供を産み育てることに『夢』を持てる社会」を構築するために、左記の対策を講じられるよう、強く要望いたします。
記
一 政府の中に「少子化総合対策推進に関する部門」を設置すること。
二 保育所の大幅整備及び夜間・延長等保育機能の充実を図ること。
三 出産・育児休暇の充実や出産・育児に伴う雇用保障を図ること。
四 分娩費の充実および乳幼児医療費の無料化を図ること。
五 児童手当制度の充実および教育減税の実現を図ること。
六 多子世帯の公営住宅への優先入居措置を図ること。
右、地方自治法第九十九条第二項の規定により意見書を提出いたします。
平成 年 月 日
議 長 名
内閣総理大臣
大蔵大臣
厚生大臣 宛(各通)
労働大臣
建設大臣
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