意見書第9号 インド、パキスタン両国の核実験に関する意見書について
議決日:平成10年6月17日
議決結果:可決
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発議第九号
インド、パキスタン両国の核実験に関する意見書について
地方自治法第九十九条第二項及び第百十二条の規定により意見書を左の通り提出する。
平成十年六月十七日提出
熊本市議会議員 江 藤 正 行
同 内 田 三千夫
同 竹 本 勇
同 嶋 田 幾 雄
同 税 所 史 熙
同 奧 田 光 弘
同 田 尻 将 博
同 大 石 文 夫
同 牛 嶋 弘
同 上 村 恵 一
同 田 辺 正 信
同 磯 道 文 徳
同 鈴 木 弘
熊本市議会議長 主 海 偉佐雄 殿
意 見 書 (案)
インド、パキスタン両国の核実験に強く抗議し、緊張緩和のためあらゆる平和外交努力を積極的に行われるよう強く要望いたします。
(理 由)
本年五月、突如としてインド、パキスタン両国が核実験を強行しました。この両国による核開発競争に伴う南アジア地域の緊張拡大は、NPT(核不拡散条約)体制の崩壊につながる重大な危機であるばかりでなく、同地域の平和と安定を損なう新たな軍事衝突へと発展しかねない深刻な事態であり、断じて容認することはできません。特に核実験は人類の安全や環境保護のうえでも大変な脅威であるにもかかわらず両国が核実験を強行したことは、国際社会の信頼を著しく裏切る行為であるとともに、NPT体制に対する挑戦といえます。
よって、政府におかれては、インド、パキスタン両国に対し、厳重抗議をし、厳しい経済制裁をはじめとする対抗措置を行使するとともに、今後の両国の核実験と核開発・移転の無条件放棄を強く要請し、速やかにNPT(核不拡散条約)並びにCTBT(包括的核実験禁止条約)の即時同時参加、カットオフ(兵器用核物質生産禁止)条約への交渉参加、大量破壊兵器や核搭載ミサイル開発等の中止、カシミール帰属紛争の解決を含めた南アジア非核地帯化など同地域の緊張緩和に向けた国連決議の採択や、両国と関係国による政治対話など平和外交努力を行うと同時に、核保有国に対し核軍縮の更なる強化を求め、新たな核管理・縮小への国際的枠組みの構築にリーダーシップを発揮するなど、唯一の被爆国として毅然たる姿勢を内外に示し厳重な抗議をされるよう強く要望いたします。
右、地方自治法第九十九条第二項の規定により意見書を提出いたします。
平成 年 月 日
議 長 名
内閣総理大臣 宛(各通)
外務大臣
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