意見書第7号 国立病院・療養所の存続と機能の充実・強化を求める意見書について
議決日:平成10年6月17日
議決結果:可決
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発議第七号
国立病院・療養所の存続と機能の充実・強化を求める意見書について
地方自治法第九十九条第二項及び第百十二条の規定により意見書を左の通り提出する。
平成十年六月十七日提出
熊本市議会議員 江 藤 正 行
同 内 田 三千夫
同 竹 本 勇
同 嶋 田 幾 雄
同 税 所 史 熙
同 奧 田 光 弘
同 田 尻 将 博
同 大 石 文 夫
同 牛 嶋 弘
同 上 村 恵 一
同 田 辺 正 信
同 磯 道 文 徳
同 鈴 木 弘
熊本市議会議長 主 海 偉佐雄 殿
意 見 書 (案)
国民の生命と健康を守るため国立病院・療養所の存続と機能の拡充強化を図られるよう強く要望いたします。
(理 由)
「いつでも、どこでも、誰もが、安心して医療が受けられるように」これは国民すべての願いであり、日本国憲法に保障された人間の生きていく権利として最大限保障されなければならない課題であります。
さきの国会では、国民に二兆円もの負担増になるような医療保険制度の改定が行われ、すでに昨年九月より実施されております。こうして患者・国民の足がますます病院から遠のくことは憂慮すべき事態であります 伝えられるところ、政府・厚生省の審議では二〇〇〇年から社会保険三割負担をはじめ、高齢者全員からの保険料徴収、患者負担の定率制、薬剤費の保険給付に上限の設定、医療費の定額払い等の検討がされており、これらが実施されれば一層厳しい受診制限が予測されます。
政府の「行政改革会議の最終報告」案では、国立病院・療養所の廃止・民営化・地方自治体への移管・独立行政法人(エージェンシー)化が検討されておりますが、このことは、国として生命と健康を守る責任が大幅に後退し、国民の医療要求に応える方向とも逆行することと言わざるを得ません。
これまでも、患者・国民や地方自治体・議会の反対のため、遅々として再編成計画が進んでいないことが示しているように、患者・国民は国立病院・療養所の存続・拡充を強く願っております。
国立病院・療養所は、国立医療機関として、地域に密着した一般医療の他に高度専門医療や結核・重症心身障害児・者の政策医療を担い、地域に大きく貢献しております。
したがって国立病院・療養所においては、その疾病の原因や治療が不明な難病や感染対策、また近年高齢化社会を迎え、今日急増する痴呆患者対策・終末期医療・救急医療の拡充・結核の後遺症とも言われる低肺機能障害等の身障療護施設の建設が望まれます。
よって、政府におかれては、誰でも安心して医療が受けられる医療保障制度の確立を求めるとともに、国が医療に対する責任を果たし、国民の生命と健康を守るため国立病院・療養所の廃止・民営化を行わず、存続・拡充によって地域医療と福祉のネットワークのかなめとなるように位置づけ、患者・国民の期待にますます応えられるよう強く要望いたします。
右、地方自治法第九十九条第二項の規定により意見書を提出いたします。
平成 年 月 日
議 長 名
内閣総理大臣
大蔵大臣 宛(各通)
厚生大臣
総務庁長官
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