意見書第28号 遺伝子組換え作物の表示義務法制化を求める意見書について
議決日:平成11年12月20日
議決結果:可決
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発議第二八号
遺伝子組換え作物の表示義務法制化を求める意見書について
地方自治法第九十九条第二項及び第百十二条の規定により意見書を左の通り提出する。
平成十一年十二月二十日提出
熊本市議会議員 古 川 泰 三
同 下 川 寛
同 島 永 慶 孝
同 主 海 偉佐雄
同 荒 木 哲 美
同 岡 田 健 士
同 坂 田 誠 二
同 藤 山 英 美
同 田 辺 正 信
同 佐々木 俊 和
同 磯 道 文 徳
同 鈴 木 弘
同 益 田 牧 子
熊本市議会議長 江 藤 正 行 殿
意 見 書 (案)
遺伝子組換え作物に対する国民の不安を解消するため食品及び飼料への「表示の義務」を早急に法制化されるよう強く要望いたします。
(理 由)
食は人間形成において重要であることは言うまでもなく、何よりも次代を担う子どもたちに、安全で栄養豊富な食を提供し、子々孫々に至るまで健康な国民であってほしいと誰しも願うものです。しかし、最近、遺伝子組換え食品が、我が国の市場に出回り始め、国じゅうが不安にさらされているといっても過言ではありません。現在、最も国民が関心を寄せている遺伝子組換え作物の表示の義務化は是非実現すべきものであります。
遺伝子組換え食品の表示義務については、全国自治体からの請願も効を奏して農林水産省も取り上げていますが、出された表示案は、遺伝子組換え作物のわずか一割について義務づけたに過ぎません。日本人がもっとも多く食している醤油、大豆油、コーン油、綿実油、ナタネ油、その他の食用油には表示されておらず、実施は二〇〇一年ということです。ところが、輸入実績から換算すると三割、つまり十個の豆腐を食べると三個分は遺伝子組換え大豆使用のものを食べている計算になります。
厚生省においては「遺伝子組換え食品の安全性の確認を法律で義務づける」と方針を固めているのも大いに評価できるところでありますが、ヨーロッパでは、「フランケンシュタイン・フーズ」と呼ばれ「危険性のあるものは使わないという予防の原則を崩す」と英国の科学者は警告しており、EU全体で不許可の方向へ動きつつあると報告されています。また、アメリカの議会でも「食」に対して無防備の消費者の要望を無視できず、表示義務法案の提出への動きが出てきたと新聞報道されています。
我が国でも、人体への安全性、生態系や益虫への影響など、環境へのもう一歩踏み込んだ視点が求められます。
よって、政府におかれては、遺伝子組換え食品に対する国民の不安を解消するため、食品及び飼料への表示の義務を早急に法制化されるよう強く要望いたします。
右、地方自治法第九十九条第二項の規定により意見書を提出いたします。
平成 年 月 日
議 長 名
内閣総理大臣
厚生大臣
農林水産大臣 宛(各通)
通商産業大臣
環境庁長官
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