意見書第4号 ハンセン病元患者の人権回復と生活支援の充実を求める意見書について
議決日:平成12年3月27日
議決結果:可決
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発議第四号
ハンセン病元患者の人権回復と生活支援の充実を求める意見書について
地方自治法第九十九条第二項及び第百十二条の規定により意見書を左の通り提出する。
平成十二年三月二十七日提出
熊本市議会議員 古 川 泰 三
同 下 川 寛
同 島 永 慶 孝
同 主 海 偉佐雄
同 荒 木 哲 美
同 岡 田 健 士
同 坂 田 誠 二
同 藤 山 英 美
同 田 辺 正 信
同 佐々木 俊 和
同 磯 道 文 徳
同 鈴 木 弘
同 益 田 牧 子
熊本市議会議長 江 藤 正 行 殿
意 見 書 (案)
ハンセン病元患者の人権回復と生活支援の充実を図るための諸施策を早急に講じられるよう強く要望いたします。
(理 由)
一九九六年四月一日、「らい予防法」廃止が施行されましたが、この法律の存在により、九十年間に渡りハンセン病元患者は社会から隔離され療養所生活を強いられて来ました。また「治らない病気」とされ断種、堕胎が強制され差別、偏見の社会的環境を温存して来たと言えます。
元患者の皆さんは人としての尊厳が傷つけられ苦難のなかで社会復帰の希望を持ち続け、生きて来られました。一九四三年に特効薬「プロミン」の発見で全治する病気となり諸外国では隔離が廃止され外来治療に切り替えられ、さらに一九六〇年には、国連保健機構(WHO)が隔離政策廃止を勧告し諸外国では元患者の人権回復、社会復帰、生活支援等の施策が国家の手で行われました。
しかし、日本の場合は、現在でも全国十三ケ所の国立療養所(内菊池恵楓園は七百数人)、二カ所の私立療養所に約四千数百人の元患者が療養生活をしています。「らい予防法」が廃止され約四年目を迎えますが元患者の社会復帰環境は依然として厳しいものがあり、国、地方自治体、地域住民の全面的な協力体制が必要です。
よって、政府におかれては、永年の隔離政策が残した弊害を無くし安心して地域社会のなかで共生できるよう左記事項の実現を強く要望いたします。
記
一 いまだに存在する差別、偏見をなくす啓発施策を進めるとともに、元患者の社会復帰支援のための基盤整備を図ること。
二 元患者の高齢化を考慮し医療体制、生活保障の充実を図ること。
三 療養所生活を希望する人達の園内生活の環境整備を図ること。
右、地方自治法第九十九条第二項の規定により意見書を提出いたします。
平成 年 月 日
議 長 名
内閣総理大臣
文 部 大 臣 宛(各通)
厚 生 大 臣
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