意見書第31号 憲法違反の自衛隊海外派兵に反対する意見書について
議決日:平成13年12月19日
議決結果:否決
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│ 発議第31号 │
│ 憲法違反の自衛隊海外派兵に反対する意見書について │
│ 地方自治法第99条及び第112条の規定により意見書を次のとおり提出す│
│ る。 │
│ 平成13年12月19日提出 │
│ 熊本市議会議員 大 江 政 久 │
│ 同 上 村 恵 一 │
│ 同 家 入 安 弘 │
│ 同 佐々木 俊 和 │
│ 同 中 松 健 児 │
│ 同 益 田 牧 子 │
│ 熊本市議会議長 白 石 正 殿 │
│ 意 見 書 (案) │
│ 平和憲法の精神に則り、自衛隊海外派兵を中止するよう強く要望いたします。│
│ (理 由) │
│ 9月11日に米国において発生した無差別テロ事件は、決して許されないもの│
│ であります。この事件によって亡くなられ傷ついた多数の犠牲者の方々に、心か│
│ ら哀悼の意を表明いたしますとともに、心からお見舞いを申し上げます。 │
│ 今回のテロ事件の犯人は、法律によって厳正に裁かれるべきであります。この│
│ 際、集団殺害、国際人道法違反などの国際犯罪を犯した個人を、訴追・処罰する│
│ ための「国際刑事裁判所(ICC)」など、国際的な枠組みを活用すべきであり│
│ ます。 │
│ 一方、米軍によるアフガニスタンへの報復戦争が開始され、米軍の空爆は連 │
│ 日、アフガニスタンの民衆を殺傷し続けています。テロ事件とは無関係の人々が│
│ 何ゆえ殺されなければならないのでしょうか。これ以上罪なきアフガニスタンの│
│ 民衆を殺すことは許されません。 │
│ テロや戦争をなくすためには、報復や制裁ではなく、テロや戦争の原因となっ│
│ ている差別、抑圧、貧困、環境破壊などの構造的暴力を解消することでなくては│
│ なりません。 │
│ 米国に対しては、アフガン爆撃を直ちに中止し、冷静にテロの原因を究明し、│
│ 構造的暴力の解消に向けたプログラムをつくることを要求します。 │
│ 小泉首相は、自衛隊が行うのは、米軍への輸送や補給で武力行使ではないと強│
│ 弁していますが、現代戦では、輸送や補給は武力行使と一体と見るのが世界の常│
│ 識であります。 │
│ 戦後56年、平和憲法を守り、戦争をすることのなかった日本が、米軍の作戦│
│ 計画に組み込まれ、戦争に引き込まれようとしています。 │
│ 日本が攻撃を受けていないのに、自衛隊が他国の戦争に加担することは、明確│
│ に憲法違反であります。 │
│ よって、政府におかれては、平和憲法の精神に則って、自衛隊海外派兵を中止│
│ することを強く要望いたします。 │
│ │
│ 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。 │
│ 平成 年 月 日 │
│ 議 長 名 │
│ 内閣総理大臣┐ │
│ 外務大臣 ├─宛(各通) │
│ 防衛庁長官 ┘ │
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