意見書第24号 自衛隊のイラク派遣に反対する意見書について
議決日:平成15年9月26日
議決結果:否決
[平成15年第 3回定例会]-[09月26日-07号]-P.340
○議長(落水清弘)
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│ 発議第24号 │
│ 自衛隊のイラク派遣に反対する意見書について │
│ 地方自治法第99条及び第112条の規定により意見書を次のとおり提出す│
│ る。 │
│ 平成15年9月26日提出 │
│ 熊本市議会議員 家 入 安 弘 │
│ 同 佐々木 俊 和 │
│ 同 村 上 博 │
│ 同 益 田 牧 子 │
│ 同 田 尻 善 裕 │
│ 熊本市議会議長 落 水 清 弘 殿 │
│ │
│ │
│ 意 見 書 (案) │
│ イラクの復興に当たり、日本の果たす役割は医療や食糧援助、生活インフラの│
│ 再建等に限り、自衛隊の派遣は行わないよう強く要望いたします。 │
│ (理 由) │
│ 3月20日に始まった米英軍によるイラク攻撃によって、イラクのフセイン政│
│ 権は崩壊に追い込まれました。4月9日に首都バグダッドが陥落、4月14日に│
│ はイラク軍の最後の拠点であった北部のティクリットが制圧され、5月1日には│
│ ブッシュ大統領が戦闘終結を宣言しました。しかし、その後もイラクの治安は一│
│ 向に改善せず、住民の反米感情は高まっており、いまだに米英軍に対するゲリラ│
│ 攻撃が続くなど、不安定な状況が続いています。 │
│ 日本政府は「イラク復興支援特別措置法」を制定し、自衛隊をイラクに派遣し│
│ ようとしていますが、同法が前提としている国連安保理決議1483は米英軍│
│ (米英占領当局)の「権威、責任、義務」を「認識」し、加盟国に人道的支援を│
│ 呼びかけているにすぎません。自衛隊に対する具体的なニーズが存在しないま│
│ ま、米国の要請に応えるためだけに、実質的な戦地に自衛隊を送るという法律は│
│ 断じて認められません。米英軍占領下での自衛隊の活動は、明らかに占領行政へ│
│ の参画であり、「自衛隊の占領行政への参画は違憲」としてきたこれまでの政府│
│ 見解に反することも明らかであります。 │
│ しかも、米国がイラク攻撃を行う理由とした大量破壊兵器はいまだに見つかっ│
│ ていません。そもそも国連決議なき武力行使は許されませんが、大量破壊兵器と│
│ いう「大儀」すら不確かなものであったならば、米英のイラク攻撃・占領には一│
│ 片の正当性もないといわざるを得ないのであります。日本は正当性を欠いた米英│
│ の占領統治に参加するべきではありません。 │
│ よって、政府におかれては、イラクの復興に当たって、日本の果たす役割は医│
│ 療や食糧援助、生活インフラの再建等に限るべきであり、いかなる名目であれ自│
│ 衛隊を派遣されないよう強く要望いたします。 │
│ │
│ 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。 │
│ 平成 年 月 日 │
│ 議 長 名 │
│ 内閣総理大臣┐ │
│ 外務大臣 ├─宛(各通) │
│ 防衛庁長官 ┘ │
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