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熊本市議会会議規則第13条第1項の規定により意見書を次のとおり提出する。
令和5年3月15日提出
熊本市議会議員 大嶌澄雄
同 井本正広
同 津田征士郎
同 田中誠一
同 澤田昌作
同 本一臣
同 坂田誠二
同 三島良之
同 大石浩文
同 小佐井賀瑞宜
同 藤永 弘
同 西岡誠也
同 福永洋一
熊本市議会議長 原亨 様
意 見 書 (案)
地方の中小零細企業、保育施設、介護施設における人材不足を解消するとともに、職員の処遇を改善するため、所要の施策を講じられるよう要望いたします。
(理 由)
人口減少が大きな課題となっている我が国において、地方では人材の確保が困難な状況になっており、昨今の物価高と時給上昇によって、その状況は更に悪化しています。
現在、政府で検討している「年収の壁」も1つの要因であり、配偶者控除と配偶者特別控除の適用を受けるため、労働時間を抑制している実態があります。
熊本県においては、2012年の最低賃金653円が、2022年には853円になり、実に200円の増となっています。時給アップ自体は大変すばらしいことですが、年収103万円の壁を基準として考えた場合、2012年に最低賃金で約1,577時間、日数にして約197日間働くことができた配偶者が、2022年では最低賃金で約1,207時間、日数にして約150日間しか働くことができません。能力や資格があり、本人も働きたいと思う人材が、10年前と比べて47日も働けないという事実が、地方の中小零細企業、保育施設、介護施設の重荷になっています。
健康保険や厚生年金に関する「年収の壁」も存在しており、有為な人材が働くことができない環境が生じています。
また、日々子供や高齢者を支える保育士や介護士は、現在の日本社会において無くてはならない貴重な人材です。しかし、その処遇や勤務の実態から、保育士や介護士を目指す若年者は減少しており、物価高により現場で働く方の生活も厳しくなっています。保育士や介護士の処遇改善は急務であり、それが行われなければ、保育・介護の現場は遠からず機能不全に陥ってしまう可能性が高いです。
よって、政府におかれては、地方の人材難を解消し各業界を活性化させるため、下記の事項について特段の配慮をされるよう強く要望いたします。
記
1 政府が検討中の年収の壁について、早急に見直しを図ること。
2 物価高に応じた保育士や介護士の処遇の見直しを行うとともに、報酬や加算増を検討し、資格所有者の現場復帰、若年者雇用の推進を図ること。
3 物価高や時給の上昇により、人材確保が困難になっている中小零細企業に対する雇用確保の支援を講じること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。
令和 年 月 日
議長名
内閣総理大臣
財務大臣
厚生労働大臣
経済産業大臣