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会計年度任用職員の処遇改善を求める意見書について
熊本市議会会議規則第13条第1項の規定により意見書を次のとおり提出する。
令和4年12月20日提出
熊本市議会議員 西岡誠也
同 福永洋一
同 上野美恵子
同 那須 円
熊本市議会議長 原亨 様
意 見 書 (案)
地方自治体における会計年度任用職員の処遇改善のため、所要の施策を講じられるよう要望いたします。
(理 由)
住民の生活を支える自治体の業務は、正規の常勤職員によって自治体が直接執行すべきものです。しかし、国は自治体に対し総人件費抑制や定員管理計画を押しつけ、1990年代初頭には320万人だった正規職員が、2020年には270万人余りへと削減され、その代わりとして非正規職員が増やされ、2020年には69万人にもなっています。自治労連の全国調査によれば、非正規公務員の6割が年収200万円未満となっており、深刻な官製ワーキングプアの実態が示されています。
非正規公務員の適切な勤務時間や休暇等の制度の整備など、処遇改善を目指して、2020年度から会計年度任用職員制度が始まりました。一定の部分的な改善は図られましたが、制度の目玉であった期末手当支給が過少であったり、給与や休暇などが運用前より引き下げられるようなケースもありました。また、非正規雇用の多くを女性が占めるジェンダーギャップや経験が反映されない給与の在り方、特に、会計年度ごとの任用や公募によらない任用の回数制限の問題など、非正規雇用の重大な問題は改善されず、労働契約法やパートタイム・有期雇用労働法、最低賃金法などの適用除外となっていることで、処遇格差も厳然と存在する状況での雇用が続いています。常時職員を配置すべきである戸籍や介護・生活保護などの窓口業務や、保育園の保育士・調理師・看護師、学童保育の指導員などの恒常的・本格的業務を担い、経験や専門性を求められる部署が、継続性のない不安定な会計年度任用職員によって運営されていることは大きな問題です。
公務の専門性・継続性・公平性・平等性を担保し、全体の奉仕者としての役割を果たしていくためには、任期の定めのない、身分の保障された常勤職員が業務を担っていくべきです。
よって、政府におかれては、自治体の業務は継続性のある安定した雇用の下、専門性や経験が積み重ねられる常勤職員によって担うという前提に立ち、会計年度任用職員の身分を保障するために、下記の事項について実施されるよう強く要望いたします。
記
1 継続的任用を保障するため、会計年度任用職員を任期の定めのない職員として位置づける法整備を行うこと。
2 フルタイム・パートタイムいずれの会計年度任用職員についても、常勤職員と同様の法体系にし、勤勉手当も含め、給与・手当等を支給できるようにすること。
3 会計年度任用職員をパートタイム・有期雇用労働法、最低賃金法等の労働法制の適用対象とすること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。
令和 年 月 日
議長名
内閣総理大臣
総務大臣
厚生労働大臣