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熊本市議会会議規則第13条第1項の規定により意見書を次のとおり提出する。
令和4年6月29日提出
熊本市議会議員 大嶌澄雄
同 井本正広
同 津田征士郎
同 田中誠一
同 澤田昌作
同 本一臣
同 坂田誠二
同 三島良之
同 大石浩文
同 小佐井賀瑞宜
同 藤永 弘
同 西岡誠也
同 福永洋一
熊本市議会議長 原亨 様
意 見 書 (案)
増加する消費者被害・トラブルから国民生活を守り、地方消費者行政を安定的に推進させるため、必要な財源措置等を講じられるよう要望いたします。
(理 由)
令和3年版消費者白書の推計によれば、令和2年(2020年)1年間の消費者被害・トラブルの被害総額は約3.8兆円(前年は約4.7兆円)となっており、数字としては減少傾向にあるものの、ピークであった2004年以降の16年間は「高止まり」とも言える状況が続いております。
そこには、「SNSに関連したトラブルの拡大」や「高齢者等における被害の増大」といった大きな社会的傾向に加え、長期化するコロナ禍によって、収入源を補うために新たに副業を始めようとした消費者が詐欺的商法の被害に遭ったり、コロナ関連給付金やワクチン関連の詐欺被害に見舞われております。
また、近年発生する災害においても、被災者救済に乗ずる悪質商法被害が報告され、新たに発生する犯罪手法に対策が追い付いていないという状況を呈しております。
まさに消費者相談は社会に対する市民の不安感を映し出す鏡であり、全ての地域においていち早く専門家による相談を受けられるよう体制を確保することが喫緊の課題であると言えます。
国としても消費者行政一元化の流れの中で、平成21年9月に消費者庁及び消費者委員会の設置、消費者安全法の施行がなされるなど、様々な取組が進められてきましたが、平成30年度以降、地方消費者行政に対して措置する交付金の額が大幅に減額されてきております。
さらに、新規強化事業の対象期間が限定される等厳しい枠組みの中で、地方における事業の見直しや中止を余儀なくされております。
このままでは地方における支援体制の維持が困難になるばかりか、パイオネット(PIO−NET 全国消費生活情報ネットワークシステム)の稼働にも影響を与え、国全体の消費者行政が大きく後退するおそれが出てきております。
地方支分部局を持たない消費者庁が全国的に消費者政策を展開させるためには、地方公共団体と一体となった恒久的な取組が不可欠です。国に対する信頼感の醸成と国民生活の安定した基礎を作るために、地方に対する財政基盤の強化が今こそ求められております。
よって、国及び政府におかれましては、下記の事項について実施されるよう強く要望いたします。
記
1 国において、地方消費者行政を安定的に推進させるための恒久的な財源措置を検討すること。
2 財源措置に当たっては、地方公共団体が消費者行政を行うために必要な予算措置を行い、地域の実情に合わせた活用ができる仕組みとすること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。
令和 年 月 日
議 長 名
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
消費者及び食品安全担当大臣