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請願 審査結果一覧表

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件名

請願第3号 (平成27年) 安保関連法案の今国会での成立断念を求める意見書提出に関する請願

受理日

受理日:平成27年6月18日

付託委員会

付託委員会:総務

議決結果

議決日:平成27年7月3日
議決結果:不採択

紹介議員

上野美恵子

内容

 主 旨
 政府が国会に提出した「平和安全法制」は、現憲法の枠内であるかのような装いで説明されています。しかし、審議の中で、自衛隊の他国軍への後方支援は、事実上の日本の参戦であり、米国の戦争に深く巻き込まれることとなり、政府の説明と食い違うことが明らかになりました。そのため、衆院憲法審査会では、参考人の憲法学者全員からこの法案は「違憲」と指摘されました。また、最新の世論調査では約八割の国民が今国会での成立を急ぐべきではないと答えています。
 安倍首相自身が「戦後安保法制の大転換」と言う極めて重要な法案です。であるからこそ、こうした指摘や民意を重く受け止め、国民が納得するまで徹底的に審議を尽くすべきではないでしょうか。
 よって、地方自治法第九十九条の規定により国会及び政府に対して、今国会での法案成立の断念を求める意見書を提出されるよう請願いたします。


 理 由
政府が五月十五日に国会に提出した「平和安全法制」は、歴代政府が禁止してきた「集団的自衛権行使」の憲法解釈を大転換し、その具体化を現憲法の枠内であるように見せて法制化するものです。国会審議の中で政府は、「武力行使の新三要件」で厳格な歯止めを掛けていると説明しますが、その内容は抽象的で、その判断が政府に任される事にも疑問が残ります。政府の説明を総合すると、「我が国と密接な関係にある他国」は米国であり、自衛隊の派遣は、米国が主導する戦争の「後方支援」になります。
安倍首相は、「仮に戦闘が起これば活動を一時中止して退避する」と説明しますが、「米軍など他国軍との共同軍事行動中に、危険が迫っているとの理由で持ち場を離れることが本当に可能だと言い切れるのか」(『熊日』五月二十七日社説)。
このことに衆院憲法審査会に招かれた憲法学の専門家が答えています。
長谷部恭男・早稲田大教授は、多国軍への後方支援も「(憲法が禁じる)外国の武力行使と一体化する恐れが極めて強い」。小林節・慶応大名誉教授は、「後方支援は、戦場に後ろから参戦するだけの話」「露骨な『戦争参加法案』だ」(『熊日』六月六日社説)。その上で、衆院憲法委員会に招かれた参考人三名全員が法案は「違憲」と表明しました。政府与党は、この指摘を重く受け止めるべきです。
明らかになった法案の真の狙いは、「この四月下旬に米国と合意した日米防衛協力指針とも連動している。米軍と自衛隊の『一体化』が進む可能性」(『熊日』五月十五日社説)を推し進めようとしているのだと考えます。
米国は、戦後一貫して世界のどこかで戦争をしている国です。この法案が成立して、米国からの派遣の要請があって一度派遣すれば、今回の「海外派兵恒久法」とも呼ばれる法案により、切れ目なく、米軍の戦争に巻き込まれることになります。
最新の世論調査(『時事通信』六月十二日)では、今国会成立に「賛成」は僅か一三%で、「成立反対あるいは否定的な声が八割超に上がった」と報じています。
このような状況の下でも、政府は国会の会期を延長してでも、今国会で成立させる方針のようですが、国民多数の民意を無視した立法化は民主主義に反します。今国会に対し、法案成立の断念を求める熊本市民の声を意見書として、国会及び政府に提出されるよう求めます。
右、請願いたします。

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