本文へ移動

現在位置 :トップページ意見書・決議 審議結果一覧 › %89%FC%92%E8%8B%99%8B%C6%96%40%82%CC%94p%8E~%82%F0%8B%81%82%DF%82%E9%88%D3%8C%A9%8F%91%82%C9%82%C2%82%A2%82%C4

意見書・決議の詳細情報

意見書第37号 改定漁業法の廃止を求める意見書について

意見書番号
意見書第37号
議決年月日
平成30年12月27日
結果
否決

内容

熊本市議会会議規則第13条第1項の規定により意見書を次のとおり提出する。
 
  平成30年12月27日提出
       
熊本市議会議員  田尻将博
同        上田芳裕
同        西岡誠也
同        上野美恵子

熊本市議会議長 くつき信哉 様

意  見  書 (案)

地元漁業者を守るため、大企業の参入を拡大する改定漁業法を廃止されるよう要望いたします。

(理 由)
地元漁協・漁民の漁業権を優先する漁業法を全面改定し、大企業の参入を拡大する改定漁業法が12月8日、可決・成立しました。
改定前の漁業法は、戦前、地元に所在しない企業による支配で漁業利益が都市部に流出した反省から、民主的に漁場を運用するために漁業協同組合(漁協)に漁業権を一括して与え、漁協が主体となって沿岸漁場の環境保全を行うことや漁民の生業を保障する役割を果たしてきました。
70年ぶりの改定となる同法は、法案提出後、衆議院、参議院あわせ、20時間ほどしか実質的な審議がなされておらず、水産研究所や漁協、漁業調整委員からも反対の声が上がっている状況です。
同法は、沿岸漁業の漁業権を地元の漁業者に優先して付与する制度を廃止し、知事の裁量で直接企業に漁業権を免許できるようになっています。しかし、知事の判断に関する基準が明確ではなく、知事が恣意的に運用を行うことを制限していません。このことは、11月26日の農林水産委員会における参考人質疑で、帝京大学経済学部地域経済学科の加瀬和俊教授が、漁業法の目的を漁業生産力の発展に限る改悪に懸念を示し、「地元の自然資源を漁業者が優先的に利用できる原則を外し、事実上企業優先に変更するのは戦前のシステムに後戻りすることになる」と指摘したことにも端的に示されています。
また、遠洋・沖合漁業では、魚種ごとに漁獲量の上限を計算し、個々の漁船ごとに漁獲量を割り当てる制度が導入されます。割当ての配分に沿岸漁業民の意見を反映する仕組みがなく、禁漁を余儀なくされた場合の補償もありません。同法により、漁船のトン数規制を撤廃し、大型化が容認されれば、水産資源の乱獲も進みかねません。
さらに、目的を規定している第1条から「漁業の民主化を図る」との文言が削除され、漁場や漁業権について審議する海区漁業調整委員会の公選制を廃止し、知事による任命制に転換する点も大きな問題です。
よって、政府におかれては、地元の自然資源を漁業者が優先的に利用できる原則を外し、事実上企業優先に変更することを可能とすることで、就労機会の乏しい漁村で地元資源に依拠し生活を成り立たせてきた沿岸漁業者から漁業権を奪いかねない改定漁業法を、速やかに廃止されるよう強く要望いたします。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。
  
平成  年  月  日

議長名

内閣総理大臣
農林水産大臣

Copyright(c) 2010- 熊本市議会 Kumamoto City Assembly. All Rights Reserved.